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フランク・キャプラ監督作品『スミス都へ行く』を観る

原題: Mr. Smith Goes to Washington、1939年製作。主演は、ジェームス・ステュワート。17歳の頃、学校の視聴覚教室で観たのが最初でした。米国大統領選挙の混乱具合を見ていると、この映画を思い出しました。

物語(ネタバレです)は、ある田舎の州の上院議員の死去に伴ってボーイスカウトのリーダーであったスミスが担がれ、政治のことはまったく分からないにも拘らず政治家になってしまいます。そこには簡単に操れるという思惑が同郷の先輩議員ペインにはあったのでした。ペインは元弁護士でジャーナリストであったスミス氏の亡き父親と巨悪に立ち向かう仲だったのです。

アブラハム・リンカーンに憧れを抱くスミス氏はワシントンの合衆国議会議事堂に見惚れてしまうほど希望に満ちた状況でしたが、そこには政治腐敗と結託したマスコミの現実がありました。あることないことマスコミに書かれ、激怒したスミス氏は酒場に居た記者に文句をいうと逆に何もできない無能な政治家と打ち負かされてしまいます。図星を突かれたスミス氏は、議員らしいことをしようと法案を議会で発表します。それは故郷の山林に少年キャンプ場を作ることでした。しかし、その地はダム建設のため密か土地買収を行っていた悪にペイン議員も関わっていたのでした。

スミス氏が周りの変化から不正に気付くと、ペインは土地買収を行ったものと一緒になってスミス氏に法案の撤回を要求してダム計画も黙認するように説得されたが、受け付けなかった。すると次の日の議会でのスミス氏の演説を遮る形でペインがスミス氏がダム建設に関わる不正をやっていると告発する暴挙にでます。これは一斉にニュースになりスミス氏が窮地に追い込まれます。そしてスミス氏は議会から追放される決議の日になります。

決議の前にスミス氏が発言を議長に要求して立ち上がり、延々と発言を続けます。途中、他の議員から発言要求があり議長が譲るかどうか尋ねますが、前回の痛い失敗があるから認めません。スミス氏は、延々と身の上話から憲法から、自身が発議した法案の内容など夜通し話し続けます。疲労困憊、自分が倒れたらそれで終わってしまうことを分かっているため、延々と話し続けます。他の議員は寝ています。それをずっと見ていたペイン議員が居たたまれなくなり議場を後にして拳銃自殺を試みますが、守衛に止められます。彼は、議場に戻り大声でスミス氏に謝罪して不正のすべてを告白します。議場は一斉に騒然となり、スミス氏は気を失って倒れてしまいます。議長は、木槌を振って議会の終了を告げ、ニヤリとして映画は終わります。

米国の良心を描いた良い作品です。トランプはスミス氏なんだと思います。

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