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トランペットを吹き始めて分かったこと その3

レスターも忙しくなりレッスンの調整が二転三転するようになりだした頃、たまたまYouTubeでトランペットの奏法についてちょっとマニアックな解説をしている動画を見付けました。サブスクリプション数も再生回数もそれほど多くは無かったのですが、内容が大変参考になってありがたいなあとその発信者の他の動画も見るようになりました。

発信者は、ニューヨーク在住のジャズ・トランぺッターの佐々木亮さん。関西系のTV局で海外で生活する日本人を取材する番組で取り上げられている動画も見させてもらいました。若い時に音楽で生きていくと決意されたことに感動しました。YouTubeの概要欄にはSkypeレッスンも受け付けるとありました。ちょうどその頃、ジャズ・ギターのレッスンを東京とSkype経由でやっていたのでニューヨークはアジア圏よりもっと時差があるけれど、やれるんじゃないかと亮さんにコンタクトしたら、気軽にやりましょうとなりました。レスターとUPキャンパスのレッスンから一転してSkypeレッスンになりました。

最初のレッスンで「なんでもいいから吹いてみてください」と言われ、取り合えずその時よく吹いていた"I’ll close my eyes"を吹いてみました。すると「楽曲のレッスンもできないことはないけど、まず音をしっかり出すことが重要ですから」と音の出し方を中心にレッスンが始まりました。実は、これは一番気になっていたことでした。そもそもアンブシュアをどうするか?や息の出し方などです。

Charlie Porterという人がYouTubeに投稿しているアンブシュアやアパチュアの丁寧な解説をした動画があります。ざっくり言ってしまえば、それは唇を横一文字にピタッと閉めてある程度の緊張感を唇に持たせるものでした。一方、亮さんからは「口笛を吹くような感じで息のスピードを舌の動きでコントロールしてください。唇はリラックスした状態でシラブルをうまく変化させて、溜息でも音がでるようにしてください」とまるで反対のような助言でした。しかし、やってみると亮さんの指摘の通り、口笛を吹くように唇をリラックスさせて息を吹き込むと、いとも簡単に音がでるのでした。これが分かるまでに結構な時間を費やしてしまいました。

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