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搭乗してない客の荷物を載せたまま飛ぶAvianca航空

Y社のコロンビア代理店で数年に1度の大きなイベントが開催される事を機にアマゾン地域の市場調査を計画したことがあります。代理店の本社は、メデジン市(あの有名な麻薬組織メデジン・カルテルの)にあり支店は、ボゴタ、カリやカルタヘナにもあります。彼らの国内販売店主を招待して3日間に渡るイベントです。当然、夜は連夜のパーティー(オフィシャル、カジュアルなど趣向を凝らして)が行われます。

その重要なイベントを前にコロンビアのアマゾン地域のレティシアと言う街へ行くことにしました。実はこの街、街全体はブラジルのタバチンガと道路や垣根を境として国境があり見た目は一つの街ですが、行政的には2つの国に分かれています。例えば、街の北にはレティシア空港、南にはタバチンガ国際空港があります。

レティシアへは、メデジンからボゴタへ飛んで便を替えてレティシアへ飛びます。代理店の私のカウンターパートだった人は、ホセ・アイカルド。彼は、フライトスケジュールを見てボゴタ空港でレティシア行きのフライトまでトランジットで約2時間くらいあるからボゴタ支店を紹介したいと言い出し、小職が「2時間は直ぐだから車での往復時間と支店内の見学時間考えて間に合うの?」と訊くと、大丈夫と応えた。二人は既にレティシア行きフライトのチェックインも済ませてスーツケースも預けていたので手ぶらでボゴタ支店へ向かったのです。

途中、ちょっとした渋滞があったものの支店到着に1時間もかかり、小職はもう見学する時間無いから空港へ戻ろうと提案したけど、彼はハハハッと笑いながら「時間通りに飛ぶわけはありません。2〜3時間遅れはいつもの事ですよ」と、全く呑気な態度。こちらは性分なのか、安全策を取るに越したことは無いと思ったのですが、。でも早足で支店内を見学して空港へ向かいました。とっくに出発時間は過ぎて、空港カウンターへ到着した時は出発時間を40分も過ぎてました。慌ててもう静かになったカウンターへ行って「レティシア行きは?」と訊くとカウンタースタッフは「もう出発してます」、「えっ⁉︎ 預けた荷物は?」「飛行機の中です」。

こりゃいかんとカウンター横の扉から外に飛び出して、ボーディング・ブリッジから離れて滑走路へ向かおうとしてる飛行機のパイロットから見える所に立って乗せてくれ!と手振りで合図を送ったら、パイロットが両腕で大きくX印を示してきました。チェックインして搭乗してない客の荷物乗せて飛ぶのかよ⁉︎と思いました。

カウンターに戻って「明日のフライトに変更して下さい」とお願いすると「明日は便が無いので明後日になります」「??」。ホセ・アイカルドは、「今日に限って時間通りに飛ぶなんて!」と悔しげにしてました。「〇〇さん、これからどうしますか?」、「まずは、着替の下着を買ってからホテルを探そう」。

明後日当日、その便はほぼ時間通りにボゴタ空港を出発してレティシア空港へ到着しました。空港横の倉庫へ行って一昨日の便で取り残された荷物はないか尋ねたら我々のスーツケースが2つだけ残ってました。めでたし。
レティシアで宿泊するホテルは、“Hotel Anaconda(オテル・アナコンダ)”。

注: 残念ながらこのCOVID-19の影響で南米でも古い歴史を持つコロンビアのAvianca航空は倒産してしまいました。

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