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ポタラ宮殿を見ながらヤクの肉うどんを食べる

チベット自治区のラサ(海抜3650m)を初めて訪問したのは1990年だったと思います。四川省の成都からのフライトで移動しました。目的は人民解放軍の駐屯地内で発電機の整備指導を行う事でした。泊まったホテルはホリデーイン。到着した日は、なかなか来れるような場所でないから観光へと出かけ、幾つかの有名であろう寺院を見て周り、やはり最後はポタラ宮殿を外から見ました。

実は色々なところから見える宮殿ではありますが、真下から見上げる迫力は凄いです。今では目の前に広い道路が整備されて、宮殿と対峙するように天安門広場のようなものが作られて中国化が随分と進んでいるようです。30年前は、その道路も普通に対向2車線で、道を挟んで宮殿を修理する職人だろう人たちの家々が並んでたように記憶してます。その中にチベット風の食堂があったので、そこで肉うどんを食べました。肉の塊が結構歯応えがあったので普通の牛肉とは違うと思い訊くとヤクの肉だったのです。長い毛を持つ牛です。食べながらポタラ宮殿を見上げると、昔の人もこんな感じで食べてたのかなと思ったりしました。

ヤクの肉は硬く、消化に時間がかかると同時にいきなり高地でそんなもの食べたので酸欠で気分が悪くなりホテルに戻って何か薬か何かないか尋ねると「酸素が足りないから」と大きくパンパンに膨れた酸素袋(ヤンチー)を提供されました。袋にはゴムパイプがついてて、それを口や鼻の近くにもっていって深呼吸するのです。多分足りないと思い、もう一袋もらい両脇に抱えてホテルの部屋に戻りベッドで休息しました。純粋な酸素は危険ですので多分、多少酸素の多い空気だと思いましたが、効果のほどはよく分かりませんでした。

次の日からの日程は、人民解放軍内でのレクチャーでした。なぜか昼食時になると一気に人が増えて軍幹部の人たちが参加して白酒で大宴会になりました。女性軍人が踊りだしたりと、なんとも言えない昼食会だったと記憶しています。

1年後に再度ラサを訪問することになりますが、その当時もポタラ宮殿の周り、またラサの中心部もそれほど変化はありませんでした。当時は、中国とはまったく違う土地だとの印象を持ちましたが、今Google Mapで見ると、まさに中国化が進んでいることが分かります。当時、現地法人で雇用してた日本語通訳の若者と会話してて「独立国だったチベットを中国が占領した」と言ったときに血相を変えて「何言っているのですか!チベットは昔から中国ですよ」と反論してきました。「もっと歴史を勉強してください!」とも、、。中共の洗脳は恐ろしい限りです。これ30年前の話です。

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