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【即・実践】風景描写の方法【5つのポイント/ランドマークの効果】

 こんにちは、山本清流です。


 5年以上小説を書きつづけています。

 昔より風景描写が上手になりました。


 今回は、風景描写について、僕なりの方法をご紹介します。

 プロットも整ったし、ストーリーもイメージできたし、キャラクターも用意できた。でも、いざ書きはじめようと思うと、風景が思い浮かばない。どうやって風景を書いたらいいのだろう。

 そんな悩みへのアドバイスをします。


 いまの僕の心の声は以下のとおり。

 風景描写する際には、視点人物になりきるといいと思う。風景とはいえ、誰かが体験した風景なので、人物なしでは書けない。気をつけるポイントとしては、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚がある。また、細かく描写する方法とはべつに、ひとつのランドマークで風景描写する方法もある。

 上記の心の声を、深掘りします。


 【風景描写をする際の5つのポイント】

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 結論としては、上記した通り、五感です。

 視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚

 五感を描くには、五感を持っている人物が必要ですね。


 【風景を体験している人物になりきる】

 風景と、それを体験している人物は、切り離せません。

 風景の中にいる人物になりきる必要があります。


 人物の視点から、風景を見る。

 人物の視点から、音を聞く。

 そのほか、匂いとか、味とか、触感とかも。


 俯瞰するのではなく、人物の視点から考えると書きやすいので、

 おススメです。


 注意【俯瞰するのもアリ】

 もちろん、俯瞰するように神視点で書くのもアリです。

 そういう書き方もあります。


 ただ、人物になりきって書いたほうが、書きやすいと僕は思います。


 【①視覚】

 いちばん情報量が多いのは、視覚の情報ですね。

 その人物の視点から、なにが見えるのか。考えてみましょう。


 例:紅葉の場合

 たとえば、紅葉の景色の場合を考えます。


 赤いモミジが見えるのか。どれくらい見えるのか。

 空は曇っているのか、青空なのか。

 足もとはコンクリートか。落ち葉だらけか。

 虫は飛んでいるか。小鳥はいるか。


 など、人物の視点から見える景色を想像していきます。


 【②聴覚】

 次に情報量が多いのは、聴覚です。

 なにが聞こえるのか。想像しましょう。


 例:紅葉の場合

 引き続き、紅葉の場合を考えます。


 虫の羽音が聞こえるか。どれくらいか。

 地面を歩くと、音がするか。

 小鳥は鳴いているか。どんな声か。

 行き交う人々の声が聞こえるか。

 モミジの葉音は聞こえるか。飛行機の音は。


 など、いろいろ想像できますね。


 【③嗅覚】

 続いて、嗅覚です。

 小説だからこそ表現できるポイントですね。


 例:紅葉の場合

 ふたたび、紅葉の場合を考えます。


 土の匂いがするか。

 草の香りがするか。

 木の幹の香りがするか。

 屋台のチョコバナナの匂いがするか。

 唐揚げの匂いがするか。

 自分の汗のにおいがするか。


 など、いろんな匂いがするはずです。


 【④味覚】

 味覚も大事な感覚のひとつです。

 効果的に使いたいなぁ、と思うところです。


 例:紅葉の場合

 またまた、紅葉の場合で考えます。


 屋台で購入したりんご飴の味はどうか。

 自販機で買った水の味はどうか。

 ジュースの味は。

 口の中に飛び込んできた虫の味はどうか。

 転んだときに口に入った土の味は。


 など、出現確率は低いですが、味覚も風景描写を支えられます。


 【⑤触覚】

 最後に、触覚ですね。

 質感とか、感触とか、温度とか、です。


 例:紅葉の場合

 最後も紅葉で考えます。


 木の幹はざらざらしているか。

 地面は硬いか。冷たいか、温かいか。

 日光はどんな感触か。

 肌にあたる風はどんな感じか。

 ひらひらと落ちてきたモミジの葉っぱは。


 などなど、です。


 【五感をいろいろ考える】

 以上のように五感を考えると、風景を想像しやすいです。

 

 でも、すべて思い浮かんだのを書く必要はないと思います。

 すべて書くのもひとつの方法ですが、


 ピンとくる表現ひとつで表現するのもいいです。

 そのへんのところ、お話しします。


 【ランドマークの効果】

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 風景描写をするとき、ランドマークをつくるのもおススメです。

 

 【ランドマークとはなにか】

 その風景を代表するイメージです。


 東京のランドマークは東京スカイツリーですね。

 パリのランドマークはエッフェル塔ですね。


 そんな感じのランドマークをつくるわけです。


 早い話、東京の風景を描写するときに、

「高層ビルが立ち並んでいて、ごった返すような人がいて、騒音が続いていて……」みたいに、長々と書くより、「東京スカイツリーがある」と書けば、一目瞭然です。


 その風景ならではのランドマークをつくれば、短く、素早く、読者に風景を伝えられます。


 例:紅葉の場合

 ふたたび、紅葉の風景を考えます。


 歩道の両脇に、赤く輝くモミジが続いている。モミジの香りが鼻孔をくすぐる。私は、胸いっぱいにモミジの香りを吸い込んで、深呼吸した。コンクリートの地面には、モミジの赤い葉っぱがいくつも落ちていた。一面の赤い絨毯の上にいると、モミジにぎゅっと抱きしめられているように感じた。

 紅葉のランドマークはなんといっても、モミジですよね。

 上記した風景描写では、モミジだけにフォーカスして表現しています。


 【いらない情報をいれる必要はない】

 上記した例だと、虫とか、飛行機の音とかは出てきません。

 でも、そういう情報をいちいち入れる必要はないと思います。


 意図を持って表現するならまだしも、

 何も考えずに浮かんできた順番に描写していくと、


 とっちらかった印象になってしまいます。


 それを避けるためにも、「ランドマークを決めておく」といいと思います。

 ランドマークを中心に、風景描写が整うはずです。


【もちろん、すべてを細かく表現するのもアリ】

 僕は、どちらかというと、短くスマートに伝えたい派なので、ランドマークを考えたりしますが、


 風景のすべてを細かく伝えたい人もいると思います。

 それもそれでOKだと思います。


 自分なりの風景描写を追求したほうがいいですね。


 【たかが風景、されど風景】

 今回は、これくらいで。


 たかが風景とはいえ、作品の完成度に大きく関わります。

 風景がお粗末だと、せっかく面白いストーリーでも、せっかく面白いプロットでも、せっかく面白いキャラクターでも、作品が台無しになったりします。


 風景描写で足を引っ張られないよう、気をつけたいですね。


 ぼちぼち、一緒に頑張りましょう。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。