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デザイナーの秘密道具 #1「曇りメガネ」

こんにちは、フリーランスでデザインとイラスト制作をしている角田綾佳(すみだあやか)@spicagraphです。

デザイナーはWebサイトやパンフレットやロゴや、目に見えるものを作ることが多いので、「作る」ということにフォーカスが当たりがちです。しかし、「作る」の前にたくさんのことを考えたり、「作る」ための計画をしています。それは完成品からは見えづらいものなので、それを「秘密道具」に例えてご紹介していきます。

秘密道具#1「曇りメガネ」

デザイナーは制作の依頼をもらうと、まず「それは何のために作るのか」「どんな人に向けたものなのか」を依頼主や、制作を取りまとめるディレクターに確認します。

例えば、ある商品をPRするWebページを作るなら、その商品のこと・それを買うお客さんのこと・これまでの問題点・他社の商品など、とにかくその商品と、周りのことを知ろうと努力します。また、依頼主もいいデザインを作りたい思いから、たくさんの情報を提供してくれます。

しかし、残念ながらここに落とし穴があります!!

その商品のこと、お客さんのこと、全てがわかった!という頭になってしまうことです。

知るということは、「見えなかったものが見えるようになる」ことに似ています。一度その形が見えてしまえば、見えなかったころのことは忘れてしまいます。「見えなかった状態に戻す」というのは、意識的にしなければむずかしいものです。

そんなときは、「曇りメガネ」でデザインを見てみましょう。この商品のどこがいいか伝わっている?大事な情報が抜け落ちていない?この言い回しはお客さんに通じる?

作ることに集中すると、ついデザインや情報をまじまじと見つめている状態になります。一度気をそらして、パッと見てみる。お客さんになりきって見てみる。「作り手の視点」と「見る側の視点」を、うまく行き来するのがいいデザインへの近道です。

「わからない」と「知らない」

「わからない」と「知らない」は、似ているようで違う状態です。

「わからない」は、何かが足りない状態です。これは送料はいくらなの?ショッピングカートへはどうやって行けるの?これは決していい状態ではないにしろ、もしかしたら「探して」くれるかもしれません。

一方「知らない」は、「そもそも知らないので疑問すらない」状態です。お得なキャンペーンをしていることを知らない、ショッピングカートで今すぐ購入できることを知らない、これはとても残念な状態です。

「わかりにくいことはないかな」と同時に、「知っているだろう、になっていることはないかな」とチェックしながらデザインしましょう。

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Twitterに不定期で「デザイナーの秘密道具」というのをシリーズでアップしています。noteではそれぞれについて少し詳しく書いていく予定です。

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