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前田裕二さんの「人生の勝算」を読んだ感想

人生とビジネスの本質とは・・・

人生の勝算
前田裕二・著

著者の前田さんは若いですね。(1987年生まれ)

DeNAを経て、ライブストリーミングサービスSHOWROOM(ショールーム)を立ち上げ、ホリエモンやキングコング西野さんの話にもよく登場し、注目されているようです。

感想

人の絆とコミュニティ、自分が何かをやろうとする時、応援してくれる人がどれだけいるか、「あなたのためなら何でもする」と言ってくれる人がどれだけいるか、そういった人から愛されることが自分の人生を勝たせるなと感じる本でした。

事業家の方が書いた本なので、人生=ビジネスとなりがちですが、人から可愛がられ、応援される人になる、ということには変わりないな、と感じました。

この本のポイント

特に心に残ったのは、以下の2点です。
・人との絆
・コミュニティ

人との絆

前田さんは路上ライブをしていた経験があり、そこから多くのことを学んだそうです。
最も重要だと分かったのは「濃い常連客」を作ることでした。

通りかかった人が素通りできないような、つっこみどころを自分の中に作り、注目してもらう努力をすることです。

ある時、お客さんからリクエストされた曲が歌えなかったそうです。
その時、前田さんが取った行動は以下の通りです。

「今日は歌えないのですが、来週の水曜の同じ時間に、もう一度この場所に来てもらっても良いですか?」そう言って、次回の約束を取り付けました。

たった1人のために、そこまでするのか?と思いますが、そういう行動こそが人との絆を作るんだなと思います。

絆を醸成するには、モノを一方的にぶつけるのではなく、他者への想像力と思いやりが必要で、「ヒト対ヒト」の関係性を築くことに意識を集中させねばいけないとありました。

そういった人と人の繋がり、絆から出来上がったいくのがコミュニティというなんですね。

コミュニティ

現代は、主にSNSなどで、コミュニティ、人の繋がりが盛んです。
コミュニティには、現代人が価値を感じる要素が詰まっているからだそうです。

表層的なコンテンツ価値以上に、絆や裏側にあるストーリーに価値を感じるとのこと。

代表的な例では廃れゆく商店街の中で、スナックがなぜ最後まで潰れないのか、というのがありますね。

・人がスナックにお金を払う背景には「ヒト」が深く関わっている
・「モノ」ではなく「ヒト」が消費理由になる場合、そこには「絆」という対価が生じているので、ちょっとやそっとではその価値が消滅しにくい

スナックの例がすごく分かりやすく、誰がそのスナックをやっているか、というところに価値が生まれているんですね。

コミュニティが形成される要素には5つのエッセンスがあるそうです。

1. 余白の存在
2. 常連客の存在
3. 仮想敵を作ること
4. 秘密やコンテクスト、共通言語を共有すること
5. 共通目的やベクトルを持つこと

ママは若くてきれいな女性である必要はなく、先に潰れても良いし、頼りなくても良い感じですよね。
その未完成な感じが、共感できて仲間を作るんですね。

スナックに来た客が何かトラブルをおこして、ママに文句を言ったとする。
ママを責める常連客は、まず皆の敵になり、ママを皆で守ることで結束が強まります。
そして、このトラブルのことは、他のお客には言わないで、我々だけの胸にしまっておこう、という共通認識やコンテクストが出来上がり、店のトラブルを解決する、という一つの目的にそれぞれが向かっていくことで、絆が生まれる。

アイドルを応援するのも似た感じかもしれません。
自分が応援することでアイドルが有名になり、輝いていくことで、そこに生まれるパワーは非常にすごいものがありますよね。

スナックのママや、売れているアイドルに共通しているのが、「人を好きになる天才」

これは本当にそうですよね。
自分が応援される立場の時、まずは自分が相手を好きになることで、相手にも好きになってもらえる、人との絆には自分から与えていくことが必要だと感じました。

まとめ

人から可愛がられる、愛される存在というのは強いですね。

SNSなどでも、どれだけイイネがあるかとかフォローされるかとか言われる時代ですが、自分が足を運びたくなる、応援したくなる、といった人との信頼を築いていくことが大事だと感じました。

若くて成功している前田さんですが、その結果の原因は努力と思える本で、同年代がこれだけ活躍している世の中で、自分自身も頑張ろうと思いました。


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