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【自己紹介】人生を懸けて地学教育を広めたい理由

こんにちは。ちーがくんと申します。

はじめましての方も多いと思いますので、軽く自己紹介をさせてください。
僕は高校2年生まで文系だったのですが、そこで地学と出会い、地学の面白さを知ってしまい高校3年生で理転地学受験での自宅浪人を経て、大学では地球科学(地学)を専攻していました。

2023年に行われた第60回気象予報士試験にも合格し、現在は気象系の研究室で研究する大学院生です。普段は研究の傍ら、ちーがくんとして地学の魅力をブログX(旧Twitter)Podcast等で発信をしています。

モルモットたちと図解で地学を学ぶブログ「ちーがくんと地学の未来を考える」

僕は大学1年生の頃からちーがくんとして活動を始めてもう4年近くになるのですが、ちーがくんとして活動している理由についてこれまでしっかりと紹介ができていなかったので、今回の記事で紹介させていただけたらと思います。


ちーがくんとして活動している理由

僕がちーがくんとして活動をしている理由は大きく分けて2つあります。

①地学の魅力を知ってほしい!

1つ目は、地学の魅力を多くの人に知ってもらいたいからです。

僕は、地学ほど知的好奇心がくすぐられる科目はないと思っています。

僕の地学との最初の出会いは、小学校1年生の時、科学館で買ってもらった宝石標本でした。

これが地学との出会い。今でも大切に保管してある。

どれも自然界のものとは思えないような輝きや色鮮やかさと、これが地下深部からやってきたという驚き。僕は宝石の虜になっていました。

そこから興味が派生して、通っていた理科実験教室で半年に1度開かれる研究発表会では、岩石の分類や地震の仕組みなど、今思えば地学の分野のことばかり発表していました。

小惑星探査機はやぶさが帰還した時には、今度は宇宙の虜になり、気がつけば自由研究で身近なものを使ってはやぶさの模型を作っていました。

小学4年生の自由研究で作ったはやぶさ。太陽光が当たると発光ダイオードが光る仕組みになっている。

振り返ってみると、地学に魅了され続けた少年期でしたが、当時はこれらを地学という括りでは認識していませんでした。

地学として認識したのは高校2年生の時、当時文系コースで地学基礎を履修した時でした。

地学ってなんだろう、という気持ちで教科書を開いた時に、学習内容として岩石や地震、宇宙を見つけた時のあの衝撃。

「あぁ、自分がこれまで夢中になってきたことは地学という分野に集約されるんだ」と感じた瞬間でした。

僕が地学に出会ってから、周りの世界の見え方が変わりました。

ただ道を歩いていて見つける石ころ一つ一つにも、それぞれが歩んできた物語があるんだということを感じるようになりました。

を見上げれば、毎日その日の気象条件によって違った空が広がっていて、夜空の星を見るだけで、想像もつかないほど広大な宇宙に想いを馳せることができます。

身近に溢れた地学と、学べば学ぶほど出てくる「なぜ?」という疑問が、僕たちの生活を楽しくしてくれます。

地学は僕にとって、ただの学問ではなく、生き方そのものを豊かにしてくれる、宝物のようなものです。

そんな地学の魅力を、もっと多くの人と共有したいです!

②地学教育の現状への違和感

2つ目は現在地学教育の置かれている現状に違和感を覚えたためです。

日本は言わずと知れた災害大国です。

しかしながら、防災の本質ともいえる地学が日本で学ばれていない、という現状があります。

僕は小学校4年生の時に、東日本大震災を経験しました。この出来事は僕の人生観を大きく変えた出来事でした。

僕が住む地域では大きな被害こそ出なかったものの、体験したことのない大きな揺れとテレビで見た大津波。

自分が住む日本という国が破壊されていく中、それに対して何もすることのできない自分の、人間の無力さを感じました。

さらに、津波から街を守るために建設された防波堤が、その想定をはるかに超えて軽々と越えられてしまったこと、防波堤の力を過信していたことで、避難が遅れてしまったということもニュースで耳にしました。

このような事実を知った時に、ただ防波堤を立てるといった表面的な対策では、自然災害に対する根本的な対策にはならないことを小学生ながらに感じていました。

そんな中で、東日本大震災や防災の日など、過去の大災害の節目となるタイミングで話題に上るのは、各地で行われている追悼式典と、年々過熱するマスメディアの防災グッズ特集のみ。

災害から身を守るために、防波堤を立てよう、防災グッズを見直そうといった風潮になっても、もっと本質的な地学を学ぼう!といった風潮にならないのには違和感を覚えていました。

高校で地学というものに出会い、地学基礎、地学を学んだ時、この違和感はより大きなものになりました。

僕の通っていた高校では、地学基礎を学ぶのは文系コースの学生のみ、地学は理系科目の一種であるはずなのに、理系で地学を選択するという選択肢は閉ざされていました。

僕は幸いにも(?)数学が苦手でもともと文系コースにいたことで地学というものに出会うことができましたが、理系コースにいたら地学基礎にすら出会うことができなかったのだと思うと、ゾッとします。

地学をもっと勉強したくて本屋に行っても地学基礎、地学の教材は教材はたったの数種類。

教科書数は2023年度から1社のみ。

地学基礎の履修率はたったの26.9%、地学は0.8%という始末。

高校地学が開講されない都道府県は9県もあり、センター試験、共通テスト地学の受験者は多くて2000人程度地学受験できる大学も、地学を学ぶことができる大学も極めて限られます。

地学教育の空洞化の現状と、繰り返される災害。

これらを知れば知るほど「災害大国である日本で地学が学ばれていないのはおかしい」という違和感が募っていきました。

こんな違和感を抱えながら地学での大学受験を終えた大学1年生から、僕はちーがくんとして活動を始めました。

ちーがくんの活動を通じて目指すこと

そのため僕は、この活動を通して

  • 地学の面白さを広めて、より多くの人に地学に興味を持ってもらう。

  • 防災の本質である地学に関する知識をより多くの人に広め、地学の知識を防災教育に結びつける。災害で悲しむ人を減らしていく。

といったことを目指しています。

もちろん、地学を学べばそれだけで災害による被害をなくせる!なんてことを言いたいわけではありません。

地学を学んだからといって災害時のサバイバル力は身につかない、災害時には役立たないといった反論があるのは重々承知しています。

それでも、地学を学んだことで、自然の力を正しく知ることができる、自然災害のニュースに敏感になれる、日頃からの意識が変わる。

自然を過信せず正しく理解することができている人のほうが、そうでない人よりも生存確率を上げられることは言うまでもないでしょう。

僕らが地球という乗り物に乗っている以上、地球がどんな惑星で、地球がどのようにして形成されてきたのか、自然はどんな力を持っているのかなどについては知っておかなくてはなりません。

これらを学ぶ地学という科目は必要不可欠で、私たちが乗る地球という乗り物の取り扱い説明書のようなものです。

その取り扱い説明書を読んで初めて、地球で起きる自然災害や環境問題を自分事として捉えられるようになるはずです。

現在の活動内容

こういった理由から、地学教育の魅力や重要性を伝えていくために、ブログ「ちーがくんと地学の未来を考える」X(旧Twitter)Podcastにて発信しています。また、地学教材の拡充のために、メタバースプラットフォーム「Cluster」にて、メタバース地学教材を無料公開しています。

今でもどうすれば地学教育をより広げていけるのかは分からず、手探り状態、試行錯誤の毎日です。

そんな手探り状態であっても、ここまで4年ほど発信活動を続けられてきたのは、地学教育を広めたいという志に共感し、温かく応援してくれる皆さまのサポートのおかげです。本当にありがとうございます。

おわりに

最後になりますが、僕はちーがくんの活動を通じて「人生を懸けて」地学教育を広めていきます。

僕の活動に共感していただける方は、フォロー、スキ等で応援していただけるととても励みになります。

長文になりましたが最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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