ある冬の夜のはなし

ある知り合いから聞いた話しである。

(怖い話苦手な人は読まないでね)



ある日、仕事が終わり彼はいつもの様に家路へと急いでいた。



(あぁ、、バイト先の社員○したいわぁ)



等と考えても仕方の無い、物騒な事を考えながら彼は夜道を歩いていた。



すると車の行き交う道路の真ん中にゴミ袋の様なモノを見つけた。




近づくにつれ、彼はそれが無機質なモノでは無い事に気づいた。



(猫や)



それは恐らく、事故に遭ってからそう時間の経っていない猫であった。




彼は少し面倒臭そうな顔をしたが、やがて車の行き交う道路を横断し猫を抱き抱えてやった。




僅かに息の残る猫であったが、やがて彼の腕の中で温かさを失っていった。




完全に"元"猫であったソレを彼は近くの公園に埋めてあげる事にした。




それはイライラする毎日を送る彼にとっては特別感情が動く出来事だった訳では無かったが、

『身体が勝手に動いた』

そんな感じであった。





そのまま彼は何事も無かったかの様に家へと急いだ。




(明日も早いし、早よ寝よ。店長○したいわぁ、、)




仕事の疲れもあって彼は直ぐに寝る事にした。





そして時計の針が日を跨いだ頃、それは起こった。




ヒタヒタヒタ…




(…眠い)





ヒタヒタ…ヒタヒタ…





(何か知らないけど、眠いねん、、)




彼の周りを回っていたソレはやがて彼の身体の上を歩き始めた。




ヒタヒタ…


ヒタヒタ…




明らかに伝わる柔らかな感触。



それはやがて顔の上にまで来た。




(寝よ、寝て明日考えよ)




彼は気づかぬフリをし、再度寝る事にした。





すると、恐らく四つ足で小型の"ナニカ"は突然彼の布団の周りで暴れ始めた。




タッタッタッター、ドタバタ


『二゛ャアーーーーォーー』




『お前さっきからうっさいねん‼️何時やと思っとんねん❗️明日朝早いんじゃ❗️恩を仇で返すんかい‼️』




夜中のアパートに彼の怒声が響き渡った。




その"ナニカ"もびっくりしただろうが、御近所さんもたまげた事でしょつ。



それ以来、2度度彼の周りでこの様な現象が起こる事は無かったそうです。







優しい行動をしたからと言って、必ずしも報われるとら限らないものなのですね。



そう言う星の下に生まれた人はいるのです。



この話が真実かどうかは僕には分かりません。


本当かどうかは直接彼に聞いて見て下さい。


アナタにその勇気があるのでしたら、

おしまい

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