【All You Need is Love〜最高にポジティブな歌?それとも...?〜】

本日もビートルズの曲についてご紹介をしたいと思います!本日ご紹介したい曲は “All You Need is Love” です!誰しも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?様々なカバーがされているので、もしかしたら「えっ!この曲って元々ビートルズなの?」という人もいるかもしれません。私も、ビートルズをビートルズ たらしめる曲の一つだと思っていて、とても大好きな曲です!

今日は、この曲の歌詞の内容について考えていくことがメインですが、その前にまずはこの曲がどのような背景を持つ曲なのかを簡単にご説明します。

“All You Need is Love” は1967年7月にビートルズの15枚目のシングルとして発売されました。この1967年というのは、アメリカを中心に世界中でヒッピームーブメントが巻き起こり、その社会現象は通称 “Summer of Love” と呼ばれています。そんな背景がある中で発表された曲なんですね!

そして、この曲はそんな年に史上初めて通信衛星を通して、世界24ヶ国に同時放送された番組 “OUR WORLD” という番組で、初めてお披露目されました。ちなみに、この番組は全世界で4億人が視聴したと言われており、「放送中は世界中で少年犯罪が止まった」なんていう逸話も残っていたりします!まあそれは言い過ぎですが、ビートルズかっこよすぎますね...。

簡単な背景はこんな感じで、肝心の歌詞の内容に入っていきましょう!すべて書くと量が多くなってしまうので、一部分を抜粋しますが、基本的に同じパターンのフレーズが続くので問題ないかと思います!

There is nothing you can do that can’t be done

Nothing you can sing that can’t be sung

Nothing you can say, but you can learn how to play the game

It’s easy

出典ー "All You Need is Love" written by Lennon-McCartney

この曲の一行目の “There is nothing you can do that can’t be done” という歌詞をみなさんならどのように訳しますか?実は、この歌はネイティブでも解釈が分かれると言われているんです。

まず、普通に訳そうとしてみると、おそらく nothing を you can do にかけて考えると思います。そうなるとこの一行目の訳は「できなかったことで、あなたができることは何もない」つまり「できないものはできない」という意味に取れるんです。実際大体の歌詞カードの訳はこのニュアンスのものが多いです。たしかにネガティブではないですけど、なんだか少し開き直ってるみたいで、「うーん、ビートルズそんなこと言っちゃうの?」と思う人もいるかもしれません。なんて言ったって、曲のタイトルが “All You Need is Love”(愛こそすべて)ですからね!まあでも、「できないことはできないんだ!愛さえあれば良いんだ!」という風にとれなくもないですよね!

もう一つの解釈は、上とは全く逆で、nothing を that can’t be done にかけて「あなたがやってきたことで、できなかったことはない。」つまり「あなたはできることはすべてやってきた。」という意味で捉える考え方です。こっちのほうがなんとなくポジティブに聞こえますよね?言ってしまえば「できないことなんてないんだよ!」ということです。「敢えてビートルズのことだからちょっと捻りを入れてるんだ。」と考える人や、「愛の歌なんだからこっちのほうが良いよね!」と考える人は、こっちの解釈を信じて、上の解釈は大きな誤訳だと考えます。

みなさんはどっちの訳が正しいと思いますか?ネイティブによると、どっちの意味でも解釈することは可能だし、研究者には「敢えてダブルミーニングにしている」と考える人も多くいます。

一ビートルズファンとしては、正直どちらかはわからないというのが本音です!きっと聴く人がどのように聴きたいか考える余地を与えてくれているのではないかなと感じています。

ただ、間違いなく「愛」という壮大なテーマをこんなにもシンプルに歌っている曲はなかなかないと思いますし、英語的に考えても、すごくシンプルな英語しか使われていないのに、いろいろな解釈をすることができるんだなと、改めて英語のおもしろさを感じさせてくれますよね!そこがビートルズが世界中で老若男女に愛される理由の一つなのかもしれません!

特に、歌などはけっこう抽象的な表現が使われていることが多いので、大変ではありますが、英語の奥深さや意味の捉え方を知る良いきっかけになるかもしれませんので、みなさんもぜひお気に入りの歌手などいたら、時々意味などについて考えてみるのもおすすめです!


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