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サムライダーの『スペースマン』の歌詞で日常のありがたみを噛み締める

先月、英国のエリザベス女王即位70周年記念コンサートを見て、サムライダーに耳と心をつかまれた。
 
浮遊感のあるサウンドとのびやかな歌声、そして夕日差すロンドン市街を埋め尽くす聴衆の一体感にしびれた。

『SPACE MAN』をものすごくざっくりとかみくだくと、こんな感じ(要約)

僕が宇宙飛行士だったら、宇宙空間に浮遊して、地球を見下ろすだろう
宇宙人と交信もしてみたい
ひとり広大な空間に浮かんでいると、自分が宇宙の中心人物みたいに思えてくる
ブラックホールにも行ってみる。だけど結局、そこには無限の空間以外、何もないことに気づくだろう。

やっぱり僕は何者でもなく、ただの人間
早くうちに帰りたい
重力がある限り、僕は君のそばにいたい。

解釈違いがあるかもしれないが、こんなふうに歌っているように思う。
 
「この宇宙は全部自分のものやー!」と自慢したい相手がそばいにいない。感動を分かち合える人もいない。日常は煩わしいこともあるけれど、圧倒的な非日常において、日常のありがたみを知る。そして、1人になりたいと思たって、結局誰かと関わり合いながら、生きている。
 
そんな引き裂かれるような思いを、ポップと情感のグラデーション豊かに歌い上げる。
 
浮遊感のあるサウンドから、私もだだっぴろい宇宙に1人投げ出され、魂の旅行をしたような気分になれる。
 
彼のパフォーマンスは「フレディマーキュリーが乗り移っている」などと評されるが、本当に楽しそうに歌っているので、見ていると元気が出る。
 
SNS発のアーティストとのことだが、たくさんの聴衆を前にしたライブパフォーマンスで、さらに輝くように思う。
 
これからの活躍に心から期待!

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