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中国人が見た日本:小倉で飲む(中)~居酒屋の前に大文豪との"短い出会い"を楽しむ

6月の薄暗い路地の中、雨は止み、晴れの日の暑さがすぐに回復した。 TTさんと一緒に歩んでいると、他の歩行者も雨降りのときのように、急ぐことはなくなった。「二成」の居酒屋から少し歩いて、TTさんの友人の居酒屋に到着した。 しかし、すぐには中に入らず、斜め向かいに中庭のある一軒家に注目するようTTさんから提案された。

近づいてみると、近代日本を代表する文豪、森鴎外の旧宅で、北九州市の文化財に指定されている。 森鴎外は、夏目漱石、芥川龍之介と並ぶ近代日本の三大文豪の一人である。歴史と文化の街、京都に生まれ、医師、薬剤師、小説家、評論家、翻訳家として活躍した多才な人物。 近代日本の恋愛文学を代表する人物で、『舞姫』や『阿部一族』は広く親しまれている。

残念ながら、夕暮れ時で旧居の扉は閉まっている。 庭の真ん中にはブロンズの胸像があり、道行く人に「鴎外はここにいた」と思い出させてくれる。 数日後に鴎外の家を訪ねようと思いながら、テーブルが空くまで2時間ほど待たされた居酒屋「俵屋」に移動した。

ヨーロッパ風のクラシカルな店構えは、日本独特の居酒屋文化とは相反するような気がした。 しかし、これぞ日本であり、加藤周一や丸山真男などの日本の学者も、「雑種文化」が日本文化の特徴であることを認めており、一見、自分の特徴を持たずに何でも取り込んで利用しているように見えるのだ。

気付かぬうちに街灯が灯り、ガラス窓越しに見える店内は賑やかだった。 お店の前で写真を撮り続けていると、清潔な身なりのオーナーがすでに笑顔で迎えてくれ、ドアを開けてくれた。 (続く)

【出典】https://www.toutiao.com/article/7108323896818139663/?log_from=4b6cb4e098b32_1661404286278
【翻訳】松本忠之

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