17 ナビゲーター
✴︎ぼくの世界
ドコン、ドコン、と太鼓みたいな音がずっと鳴っていて、
今いるここは、その音に合わせてゆらゆらと揺れている。
ぼくは一粒の光となって、
体が溶けてなくなっていくのかと思ったら
そういうわけではなさそうだ。
「よ、久しぶり。元気か?」
「うわ!星の欠片!ぼく、ものすごく聞きたいことだらけ!
ここは一体どこなの?ぼくは今どうなってるの?」
「キミは今お母さんの腹の中で、人の体に生まれ変わっているとこだ。
十月十日かけて体とタマシイが一つになって
やっと地球に誕生できるって事さ。」
「ねえ、つぎ聞いていい? ぼくが地球に着いてから
女の人とばちっと目が合って、頭に直接話しかけられたんだ。」
「ほほう、その人はおそらくナビゲーターだな。
地球上で私やキミのようなエネルギー体と会話ができる
稀有な存在さ。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?