節目は”つくる”のではなく”輝かせる”もの。正直者のウェディングプランナーの挑戦/ スペースマーケット GuestStory
チャレンジを応援するスペースマーケットGuestStory。今回のゲストはフリーのウェディングプランナー/カメラマンとして東京・名古屋・沖縄を飛び周る和田翔太郎さんです。「節目を残すことが大事」という和田さんの想いをお伺いしました!
心の振動がピークになる1日を一緒に
大学時代は民族舞踊サークルに所属していました。日々練習を重ねて半年に一度大きな公演をする、準備して準備して花を咲かせる、という瞬間がとても好きでした。
就職活動時に友人がブライダル業界を受けているのを見て、一組一組のお客様と深く関わりチーム一丸となって大切な1日に花を咲かせる、この仕事は見ておかなきゃ損するんじゃないか、と思ったんですよね。
そのままブライダル業界に飛び込み、プランナーとして働きました。良いこともあればなかなかしがらみを抜け出せず難しいことも沢山あり、一度は業界を離れて別の仕事をしてみたりもしたんです。ですが、新卒時代の同期がプランナーとして独立し、その現場にヘルプで入った時に、やっぱり僕にはこれだなと思って。そこでまたブライダルの仕事に戻り、2019年4月にcrossV Wedding の屋号を立ち上げ独立しました。
crossV WeddingのVは、心の振動を意味するvibration(バイブレーション)のVです。例えば、遠足の前日だとか、舞台本番前の、怖いけど楽しみが勝っちゃうようなあのドキドキ感。心の振動のピークとなる1日を一緒に創りますよ、という想いを込めています。
挙式やWeddingパーティーのプロデュースはもちろん、Weddingフォトの企画・撮影も請け負っています。その中でも、水中ウェディングフォトはちょっと珍しいかもしれませんね。
何か面白いことをやりたい、と言っていた新郎新婦さんに提案してみたらぴったりハマって。びしょ濡れになりながらも最高の笑顔をいただきました。ダイバーさんもついて安心安全に撮れるような体制づくりをしていますので、せっかくだから普段はしないようなことをしたい!という方にはおすすめです。
心の引っ掛かりにも向き合える。そんな節目に寄り添いたい
僕がこの仕事を続けているのは、人生の節目を残す、ということがとても大事だと思っているからです。人生の節目は、誰しもにあります。でも、何もやらないと気づかないままスッと流れていってしまうんですよね。なので、5年、10年後に節目の気持ちを思い返せるように、節目を”つくる”ではなく、”輝かせ”ること。それを映像や写真などの形にして残しておくことが僕の仕事です。
僕、反抗期が強かったんですよ。両親に反発したまま、大学を卒業して家を出てしまって。でも、とあるお客様の結婚式で、新郎のお父さんが控室でめちゃくちゃ楽しそうな笑顔をしている写真があって。その写真を見て、ハッとしたんですよね。僕は、自分の両親のこんないい笑顔を見たことが無いんじゃないかって。
そこで、「独立」という僕の人生の節目に両親のカップルフォト撮影を実行しました。素のままの僕で両親に感謝の気持ちを伝えるのはどうしても恥ずかしくて(笑)カメラマンとしてレンズを通して、両親に向き合いました。
秋の京都で、最初は照れていた父親も徐々に自然な笑顔を見せてくれて。いい表情を切り撮ることができたと思います。
この企画、僕の気持ちのハードルが高すぎて全然スムーズには実行できなくて…。でも周りの仲間が言ってくれたんです。翔太郎の中で何かがきっと変わるはず、絶対やった方が良いよと。
結果、やって本当によかった。家族との関係性を繋ぎ直し、大切な節目を輝かせて残すことができました。なので、僕もみなさんの後押しをしたいんです。普段なら絶対恥ずかしくてできない、ってことも結婚式でなら許されちゃうかもってあるじゃないですか。
もちろん形は手紙じゃなくてもいいんです。なかなか伝えられない想いってみなさんお持ちなので。パートナー、友人やお世話になった人、両親、そして自分に対しても素直になってみる。時には長年避けてきたことに向き合うためのきっかけに。そんな存在であり続けたいと思っています。
どこまでも正直に、をモットーに
フリーになって、良かったと思いますね。大変なことも多いですが、自由にやりたい僕にはとても合っています。
式場で勤めているときは、どうしても会社の事情で取引先を選ばなければいけなかったり、これはやりますか、やらないですか、の型にハマった2択の決断を迫らなければいけない時がありました。それってお客様にとっては本当は不要な駆け引きで。自分の心の健全を保つためにも、独立が僕には正解でした。
身軽に動き回っていてオフィスも構えていないので、お客様との打ち合わせや作業スペース探しにスペースマーケットは強い味方です。ロケーション撮影の控室に使ったり、先日のマタニティフォト撮影では旦那様がピアノをやられていた方だったので、ピアノのあるスタジオを借りたりもしました。
昨今の状況下、オンラインでの打ち合わせも増えました。ですが、お客様のパーソナルな部分に踏み込むので、やはりまずは対面でお話したいですね。お互いの空気感を感じ合って。その後の打ち合わせはオンラインでも問題無いですし、うまく活用したいとは思っています。
僕、お客様との打ち合わせで、こっちの方が安くていいですよーとか、なんでも正直に話しちゃうんですよね。今の時代、SNSでちょっと調べれば何でもわかっちゃいますから。どこまでも正直にお客様と向き合うことをモットーとして、お客様が本当にやりたいことを一緒に考えたいと思っています。
おかげさまで、昔からの知り合いとか、紹介紹介でお客様をお繋ぎいただくことが多いです。フリーランス仲間も沢山増えて、いいチームが出来上がってきています。お客様に合わせて完全オリジナルでやっているので、毎回新たな挑戦があって本当に楽しいです。
何も突拍子も無いことをやらなくたっていいんです。もともとある気持ち、もともとある幸せに、ちょっと手をくわえることで鮮やかに輝かせる。新郎新婦のお二人がおじいちゃんおばあちゃんになった時にも、笑顔で思い出せるようなそんな瞬間をつくれる、正直者のウィディングプランナーであり続けたいと思っています。