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ファンレターサービス「OFUSE」ユーザーインタビュー① 小説家 甲田学人さん

4月の全面リニューアルで、デザインやUIが刷新されたファンレターサービス「OFUSE」。しかし、これで歩みを止めるわけではありません。さらに利用しやすいサービスにしていくための取り組みを続けていきます。

その一環として、OFUSEでは実際に利用いただいている方々の意見をうかがうために、ユーザーインタビューを行っています。

これから、noteでもそのユーザーインタビューの一部をお届けしていきたいと思います。


クリエイターへの「ありがとう」の気持ちを1文字2円で送れるファンレターサービス「OFUSE」


ユーザーインタビューのお一人目は、電撃文庫やメディアワークス文庫で活躍する小説家の甲田学人さん。
Twitterで発表されている小説連載『小さな魔女の散歩道』のページで、OFUSEをご利用いただいています。

〈お答えいただいた方〉
甲田学人(こうだ・がくと)さん
小説家。1977年岡山県津山市生まれ。2001年に電撃文庫から『Missing 神隠しの物語』でデビュー。著作『夜魔』『断章のグリム』『時槻風乃と黒い童話の夜』『ノロワレ』『霊感少女は箱の中』。メルヘンのつもりで書いていますがホラーとして売られています。
Twitter
ミニ小説連載アカウント『小さな魔女の散歩道』 


OFUSEの利用をはじめたきっかけ


——Twitterの小説連載アカウント『小さな魔女の散歩道』のプロフィール欄で、OFUSE箱へのリンクを公開いただいています。OFUSEのことはどのように知りましたか?

甲田:自己宣伝やフォロワーに楽しんでもらうことを目的にTwitterでミニ小説を連載することにしたのですが、それがちょうど路上パフォーマンスをWeb上でやるような感じだと思ったので、かねてから存在だけは耳にしていた投げ銭を、実益半分遊び心半分で設置してみようと思い付いたのがきっかけです。そこから検索などで、知識ゼロから調べて行き着いた形です。

——実は甲田さんは、2018年のリリース初期からご利用いただいているクリエイターのお一人です。当時、OFUSEを使ってみようと思う決め手になったのはどんなところですか?

甲田:前提がTwitter連載だったので、最初からTwitterにリンクを張れるサービスであった点が一番です。あと他の購読型のサービスに若干の敷居の高さを感じたので、もっとゆるめの、それこそ置いてある箱に小銭を投げ入れるような気楽さを求めました。当初のコンセプト的に、「購読」といったような形になると、ちょっと大袈裟かなと。

——ちょうど『Missing 神隠しの物語』新装版の発売に合わせて、Twitter連載も『小さな魔女の散歩道』シーズン3を更新されていますね。路上パフォーマンスのような感じともおっしゃっていましたが、Twitterでの小説は、出版される小説とは異なる感覚で書かれているのでしょうか。それがOFUSEを置いてみる理由にもつながっていたりするのかなと。

甲田:ひとつの「シーズン」として100ツイートほどを、ほとんど書き上げてから投稿を始める形でやっています。出版する小説とはやはり書き方が違いますが、技法として一部には使う書き方なので、感覚としては「小説のごく一部だけ」を連続して書いている感覚です。OFUSEの設置理由としては、先の質問で答えたように、書き方よりも発表形式の方が強いです。


「置きっぱなし」で、作品発表はマイペースに


——OFUSEではどんなメッセージが届いているでしょうか。小説の感想や、励まされたメッセージなどはありましたか?

甲田:応援や感想はどれも有り難く読ませてもらっています。他に、匿名での質問なども多く頂いています。設置した段階では想定していなかったのですが、私はTwitterのDMを開放していないので、他の人にも読まれてしまうリプライを好まない人が、DMの代わりに活用してくださっている場合もあるようです。

——支援で購入した資料をTwitterで公開されているのも、すごく面白いと思いました。ファンとのコミュニケーションになっている感じがします。

甲田:以前から読者からのお手紙などで「小説の資料をどこで購入しているのか」「どういった資料を購入しているのか」といった質問を受けていたので、お返しの気持ちも込めて、頂いた支援は資料代に充てて、どういう本を買っているのか知ってもらうために購入したものを公開することにしました。無料公開しているものにわざわざお金を払ってファンレターを送ってくれているわけなので、せめて作品の血肉になっているのだと実感してもらえればと考えています。
 ただ申し訳ないのですが、質問を除いて、個々への返事はしていません。OFUSEで頂いた質問への答えもTwitterで公開する形で返答しています。Webはどこまでも関係を近くできてしまいますが、どこかで線引きをしておかないと互いに重荷や不幸の元になりかねないと思っています。私は人付き合いが上手い方ではないので、なおさらそう感じています。本当に、申し訳なくはあるのですが。

——リニューアル後のOFUSEにはアクセスされましたか? 見た目などかなり大きく変わったので、率直な感想をおうかがいしたいのですが……。

甲田:お洒落で見やすくなったと思います。頂いたメッセージも読みやすくなりました。
 変更可能になったOFUSE IDについては、「どういうことだ?」と意味を理解するのに若干の時間を要しました。自分で変えたいとか考えたこともなかった部分なので。でも確かに変えられると、より愛着も湧くかもしれません。
(※編集注:リニューアル前のIDは自動発行された文字列でしたが、OFUSE箱のURLを分かりやすくするなどの目的で、SNSアカウントのように自分で変更できるようになりました。)

——なるほど……、以前は設定になかった項目ですものね。デザインが好評なのにはほっとしました。最後に、OFUSEを使ってみようか検討しているクリエイターの方へ、おすすめできる点があればぜひうかがいたいです。

甲田:私は先に言ったように、かなり置きっぱなしというか、あまり管理せずゆるく使っているので、コンテンツの管理や維持が億劫という人でも気楽に使えるサービスだと思います。とりあえず設置しておいて、利用して頂けるかは完全に受け手に委ね、自分のペースで作品を発表するといった気楽な使い方ができます。

——いろいろ具体的なお話を聞かせていただいて、ありがとうございました。今後の開発でも参考にさせていただきます!


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INFORMATION

甲田さんの出版デビュー作であり、累計150万部を超える「Missing」シリーズの第1巻、『Missing 神隠しの物語』が新装版となって2020年5月23日に刊行されました。
“神隠し”と出会って忽然と姿を消した少年、空目恭一をめぐって周囲の人々の憧れや恋心、さまざまな思惑が絡み合ってストーリーを紡いでいきます。怪奇やオカルト、都市伝説を背景に描かれる、喪失の物語。文庫および電子書籍にて発売中です。

メディアワークス文庫・著作ページ


【書影】「Missing」



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