見出し画像

これはまさに五感スパイス!

文・撮影/長尾謙一 
料理/横田渉 

セレクトスパイス スパイストッピング(素材のちから第40号より)

演出するのは香りだけじゃない 
しっとりとしたマグロの食感にスパイスの歯ごたえが心地よく、噛むごとにザクザクとした音とともに香りと味が弾ける。このスパイスは料理の彩り、味、食感、香り、そして音までも演出する、まさに〝五感スパイス〟だ。

料理を五感で楽しませるスパイスは、特殊技術が生む「加工香辛料」。

「スパイストッピング」は前に出て主役の素材を助ける助演的な役目を演じる

「スパイストッピング」は、従来のスパイス&ハーブとは違ったコンセプトでつくられている。スパイス&ハーブの一番の特徴は、料理への〝香りづけ〟であり、それに加えて〝辛み〟、〝彩り〟を加えることだった。ところが「スパイストッピング」は、これに〝味〟と〝音〟の要素を加えたユニークなスパイスだといえる。

画像6

たとえば「スパイストッピング 焙煎スパイステイスト」は、ロースト加工した粗挽きのクミンやコリアンダーに、食塩・旨み、カレー粉、ガーリックをコーン油でコーティングし、そこにフライドオニオンを加えている。「スパイストッピング」はスパイスを核としながら、コーティング技術を駆使してスパイスの特性においしさを加えた「加工香辛料」なのだ。つまり〝香り〟〝辛み〟〝彩り〟に加えて旨みや甘み、塩味などの〝味〟を持っているのだ。

さらに食べてみれば分かるが、スパイスのザクザクとした食感と弾ける音がなんともおもしろい。もう一つ、スパイス&ハーブは料理において常に脇役だったが、「スパイストッピング」は主役の素材を助ける助演的な役目として前に出てくることだ。

画像6

上の料理をご覧いただきたい。表面を香ばしく焼いたマグロに「スパイストッピング 焙煎スパイステイスト」をトッピングした。「この料理は何だ?」と目に飛び込むインパクトはどうだろう。食べ進めるとザクザクとした音とともに香りと味が弾ける。盛り付け、食感、味、香り、音が組み合わさって実に立体感のあるメニューだ。「スパイストッピング」はこうして料理を五感で楽しませてくれる。

食感を楽しむ「スパイストッピング」の応用性は、まだまだ広い。

ひと振りで料理を劇的に変化させる

「スパイストッピング」は、先ほど使った「焙煎スパイステイスト」の他に「エスニックテイスト」、「イタリアンテイスト」、「麻辣テイスト」の4つのアイテムが揃っている。その名の通りトッピングするだけで料理を演出するが、それにしてもこれほど効果的とは思っていなかった。試作した料理でご説明したい。

スパイシーエスニックチキンカレー(「焙煎スパイステイスト」使用)

画像3

まずは鶏手羽元でカレーライスをつくってみた。フライパンで鶏手羽元を焼いて取り出す。玉ねぎとニンニクを入れ、混ぜながら玉ねぎの水分を煮詰める。そこにカレー粉を加えよく混ぜ、鶏手羽元を戻し、水を加え煮て、塩で味を調えご飯と一緒に盛った。ここに「焙煎スパイステイスト」をトッピングすると、噛むたびに弾けて香りと旨みが飛び出してエスニック感がどんどん増す。カレーライスのトッピングとしては新感覚だ。

ローストチキンイタリアンスパイシー(「イタリアンテイスト」使用)

画像4

次はローストチキンにトッピング。フライドポテトと素揚げしたロマネスコとニンニクの上にローストチキンを盛り、「イタリアンテイスト」をトッピングし、粒マスタードとセルフィーユを飾った。「イタリアンテイスト」で特徴的なのは、乾燥トマトの風味だ。ザクザクとした食感とともにチキンにトマトの旨みと酸味を加える。辛みの少ない唐辛子とオリーブオイルが、ローストチキンをトラットリアのメニューに仕上げてくれる。

カジキマグロのエスニック照り焼き(「エスニックテイスト」使用)

画像5

さらに、カジキマグロをフライパンで焼き、ナンプラーを加えたタレで照り焼きにして、ご飯と一緒に盛り「エスニックテイスト」をトッピングしてみる。塩揉みしたキャベツをパクチーとともにごま油で和えてたっぷりと添えた。「エスニックテイスト」のザクザクとした食感はとても心地よく、そのエスニックな風味はカジキマグロが淡白でクセのない魚だということを忘れさせてしまう。

バリバリ麻辣汁なし担々麺(「麻辣テイスト」使用)

画像6

最後に汁なし担々麺に「麻辣テイスト」をトッピングしてみた。いかがだろう、まさに汁なし担々麺の持ち味である、辛さと痺れにふさわしいビジュアルである。〝麻辣〟好きの期待感を盛り上げる。肉味噌とともにタレに絡めて麺を食べると、ザクザクとした独特の食感と花椒のピリッとパンチのある辛みと痺れがクセになりそうだ。噛むごとに辛さと痺れが飛び出すようだ。さらに「麻辣テイスト」に含まれているオニオンガーリックの旨みが、味に深みを出している。
さて、「スパイストッピング」の演出力はいかがだろうか。ひと振りで料理を劇的に変化させる「スパイストッピング」の応用性はまだまだ広いはずだ。


協力/お問い合わせ:エスビー食品株式会社

(2021年3月31日発行「素材のちから」第40号掲載記事)

※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?