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まさに、ドラマチックスパイス。

素材のちから

料理では香りも味も食感も、強いものには強いものを合わせるのがセオリー。「ざくがけスパイス」に弱いものを合わせるとその強い食感と深い辛みにすべてが負ける。ならば風味で戦い食感でも戦う牛のモツを合わせてフィレンツェの屋台料理、ランプレドットの香りと味、そして食感の変化を楽しんでみよう。

文・撮影/長尾謙一 

ざくがけスパイス 
(素材のちから第43号より)

「ざくがけスパイス」は、唐辛子とオニオンのスパイス感とエビの旨みのきいた〝万能スパイス〟。〝ピリ辛〟の唐辛子と〝旨み〟の唐辛子の2種類をブレンドした辛さは、一度食べるとやみつきになる。控えめな塩分でザクザクした食感を料理にたっぷりとトッピング。

「ざくがけスパイス」と素材が〝戦う〟とは、どんな料理なのだろう。

中華の発想から開発された「ざくがけスパイス」だが、辛すぎないピリ辛感と控えめなにんにく風味は日本料理にも使える、と前号の取材で評価された。では、イタリア料理ではどうだろう。激辛をイメージさせる見た目や、ザクザクした食感は料理の邪魔にならないだろうか? 新たなおいしさが見つかるだろうか?

シェフ 新田 健一 さん

「トラットリア イル デスティーノ」 東京都目黒区八雲
ピエモンテ、ロンバルディア、リグーリアなどをはじめイタリアの7つのお店で学んだ料理を、日本人に合わせてアレンジすることなく、同じ味で同じ量を提供する。現地でご飯を食べているようなイタリアの風を感じて欲しいと、料理の味は凝縮していて濃く、塩もガツンと入っている。レシピがあっても決して再現できないシェフだけの味の記憶がつくるおいしい料理を提供している。

「ざくがけスパイス」の個性と牛モツの風味と食感を融合させる

〝ピリ辛〟と〝旨み〟、2種類の唐辛子を使った「ざくがけスパイス」は深い辛みを持っていますし、ザクザクとした食感にはインパクトがあります。エビや玉ねぎ、にんにくの香ばしい風味がして、そのままかけるだけで和洋中を問わずおいしいメニューができると思います。

「ざくがけスパイス」を使うメニューの考え方は、2つの方向があると思います。一つは、「ざくがけスパイス」ですべてを支配するメニューです。強い風味と食感を持つ「ざくがけスパイス」をたっぷりとふれば、インパクトの強いメニューができます。

もう一つは、素材と「ざくがけスパイス」が戦うメニューです。「ざくがけスパイス」に負けない香りと味、食感を持つ素材を合わせることでお互いの個性がぶつかり合い、それが融合することによって今までにないものができるような気がします。料理では香りも味も食感も、強いものには強いものを合わせるのがセオリーです。

今回は、「ざくがけスパイス」に個性の強い牛のモツを合わせて戦わせてみました。〝トリッパとギアラのランプレドット「ざくがけスパイス」添え〟です。

トリッパとギアラのランプレドット「ざくがけスパイス」添え

モツの下茹では短めにしてモツの味と香りを残します。この下茹でしたモツをカットしてミルポワとトマト、にんにく、生ハムも一緒に炒めて、ローレルを加えて鍋に入れ、鶏ガラのブイヨンでぐつぐつと5時間くらい煮込んで最後に塩で味を調えます。ですからとてもやわらかく仕上がります。

「ざくがけスパイス」をたっぷりかけると、最初は牛モツの風味と食感が戦いはじめますが、やがて一緒に合わさって新しい趣を見せてくれます。

ギアラには脂があり、トリッパはさっぱりとしていて、これを一緒に食べるのがとてもおいしく、やはり「ざくがけスパイス」は牛モツと凄く合うと思います。

「ざくがけスパイス」をふるだけでオリエンタルなペンネアラビアータに

次に海老を使ったペンネアラビアータをつくってみました。「ざくがけスパイス」には海老の旨みが入っていますから、やっぱり海老が合うのではないかと思ったからです。

天使の海老のペンネアラビアータ

オリーブオイル、にんにく、鷹の爪、海老をよく炒めて香りを出してトマトソースを加えて詰めただけです。それ以外は何もしていません。仕上げに「ざくがけスパイス」をふります。

ソースには濃厚な海老のみその風味が凄く出ていて、やがてそれが「ざくがけスパイス」の風味と一緒になって味も辛みもオリエンタルなニュアンスに変化していきます。

海外のイタリア料理店に「ざくがけスパイス」を持ち込めば、こんな感じのペンネアラビアータオリエンタルが出てくるのではないでしょうか。

ザクザク感がもっと欲しくてグリッシーニを砕いて入れました。食感の楽しめるオリエンタルなフュージョンパスタです。やはり、「ざくがけスパイス」と海老の相性がとてもいいと思います。

得も言われぬラムのおいしさ

肉料理はラムを選びました。その理由はこの香りですね。ラムが好きな人には仔羊の香りとこの「ざくがけスパイス」がきっと合うと思ったからです。私の中では、ラムの特徴を一番いかせる調理法は香草パン粉焼きだと思っていますので、それに「ざくがけスパイス」を加えました。

仔羊のパン粉焼き

ラムを最初にローストしてある程度火が入ったら取り出して、マスタードを塗って香草パン粉をつけて、またオーブンに入れてローストして寝かせます。寝かせて余熱で火を入れてロゼに仕上げます。カットして皿に盛って「ざくがけスパイス」をかけます。

この料理は、強いものと強いものが重なっていますよね。ここでラムが風味を強く主張してくれないと、料理全体が「ざくがけスパイス」の風味になってしまいます。だからラムも香草も全部、持っている風味で戦ってくれるものにしたのです。

一口食べると、ラムの独特の香りと旨みに「ざくがけスパイス」の辛みと旨み、そして香草の複雑な香りがバランスよく重なっていきます。弾力のあるラムを噛むたびに、ザクザクと「ざくがけスパイス」の食感が心地よく、口の中のラムに感覚が集中します。そこには今までに食べたことのない、得も言われぬラムのおいしさがあります。

やはり、仔羊の独特な香りと「ざくがけスパイス」は相性がよかったですね。

このように「ざくがけスパイス」は、トッピングスパイスとしてインパクトの強いメニューをつくれますし、素材と融合しておいしさを引き上げることもできます。何かもっとできそうな気にさせてくれる、奥の深いスパイスですね。


協力/お問い合わせ:エスビー食品株式会社

(2021年12月28日発行「素材のちから」第43号掲載記事)

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素材のちから
素材の生産者や食品メーカー、輸入者の皆さんの商品への深い思い入れを料理人の皆さまにお伝えしたく、2010年より外食店向けの食材情報誌「素材のちから」の発行を続けています。そして2021年noteでも発信をスタートさせます。http://www.sozainochikara.jp/