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奥多摩の虫はでかいしモンベルが愛されている

夏休みの話。

先輩に奥多摩に遊びに行くんですという話をしたら「あのへんは虫がでかいよ」と言われた。第一印象それなの?と思ったが、実際に蟻も蜂もみみずもダンゴムシもでかくて驚いた。虫にとってはすごく快適な環境なのかな。

お昼を食べた食堂のおばちゃんがやたらと愛想がいいおしゃべりなタイプで「ちょっと前まではこのへんでも鹿、猿、猪、ハクビシン、熊まで出たんだよ」「うちの父ちゃんは猟師もやっていた。猪がいちばんうまい。また食べたい」などと奥多摩らしい話をしてくれた。

動物たちは出たくて出てるというよりは「生活圏にヒトが来てしまった」「食べ物がなくて山を降りてきた」のかもしれない。

その食堂は蕎麦と山菜、天ぷらがメインで、お肉系は「山のソーセージ」というメニューしかなかった。ハーブが効いていておいしかった。「このハーブは町内会で手摘みしたんだよ」と言われた。蕎麦はいたってフツーだった。

「あら、モンベル、いいね」

とおばちゃんは私のリュックを指さして微笑んだ。いいねのイントネーションが田舎風だった。

「モンベル、お好きなんですか?」と聞くと、「私は帽子もTシャツもズボンも傘もリュックもぜんぶモンベル」と嬉しそうだ。エプロンをすこしずらして胸元のmont-bellロゴを見せてくれた。

「いいですよね。私もいくつか愛用してます」というと「じゃあモンベルってどういう意味か知ってる?」と聞かれた。

「モンはモン-ブランと同じで山ですよね。ベルは、美しいとか、綺麗、ビューティ?」「うわー!お客さんすごいね!」と拍手をして喜ぶおばちゃん。

「モンベル、美しい山、大正解。私、苗字がミヤマっていうんだけどさ、ビューティフルなマウンテンっていう漢字なのよ。だからこりゃ私のユニフォームだ!運命だ!と思って着てんの。このへんの景色にもぴったりでしょ?」

   🗻⛰️🌋

山の上だけでなく、街中や電車の中で、モンベルを着てる人をたまに見かける。そのたびに「ビューティフルなマウンテン!」「猪がいちばんうまいのよ! 煮てさ、焼いてさ、食ってさ!」という思考回路にスイッチが入るようになってしまった笑

   🦌🐒🐗

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