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ハンドドリップの魅力

コーヒーには様々な抽出方法がある中で、お客様から「どうやったらハンドドリップでおいしく淹れられますか?」という質問を多く受けます。

ハンドドリップは技術が必要、様々な作法がある、難しい…というイメージを持つ方もいるかもしれません。

今回はハンドドリップで自分好みの味わいを出せるようになるお手伝いができればと思います。


[用意するもの]

・サーバー(抽出したコーヒーを受けるもの。マグカップなどに直接でもできますが、出来高がわかりにくいのであった方が便利です。2人分、3人分の抽出もできます。)

・ドリッパー(コーヒーの粉やフィルターをセットする器具。様々なメーカーが出していますが、慣れないうちは抽出スピードがややゆっくり目の3つ穴が安定しておすすめです。慣れてきたらお気に入りを見つけてみましょう。)

・ペーパーフィルター(ドリッパーにセットしてコーヒーを濾すもの。ドリッパーの形によって合う合わないがあるので、ドリッパーと同じメーカーのものが間違いないと思います。)

・細口のケトルまたはポット(抽出する際のお湯の注ぎ方は大事なので、持ちやすく軽めで、なるべくポットの底付近から注ぎ口が出ているものの方が、お湯の残量が少なくなってきたときにも安定して注げるためおすすめです。)

・ミル(コーヒー豆を挽く器具。挽きたてが飲みたい!という方は迷わず買いましょう。)

・スクープまたはスケール(コーヒーの粉の重さを量るもの。コーヒー用のスプーンがあればなおよいです。なかったら大さじスプーンでOK!)

・好きなコーヒー豆


[コーヒー抽出の4つの基本]

ハンドドリップにかかわらず、コーヒーの抽出にはおいしく淹れるための4つの基本があります。

1、分量

コーヒーの粉10g(大さじ2杯くらい)に対して、180mlのお湯(水)が基本のレシピです。コーヒーを濃くしようとするときに豆の量を増やしたり、お湯の量を減らしたりすると、お湯がコーヒー豆に充分に行き渡らず抽出不足になってしまうため、お湯の注ぎ方や豆の種類で濃さを変えるようにするのがおすすめです。

2、挽き具合

コーヒー豆は使用する器具によって挽き方を変えます。ハンドドリップだと、ペーパーフィルターか金属フィルターかによっても変わります。ペーパーフィルターはかなり幅があり、中細挽き〜粗挽きまで対応できます。自分の好みや使う豆の煎り具合などによって変えてみるとよいと思います。細かく挽くとお湯と粉が接する時間が長くなるため濃いめ、粗く挽くと接する時間が短くなるためあっさりめに仕上がります。手持ちのコーヒー豆が思ったより濃かったなーなんて時は挽き方を少し粗めにすると、あっさり仕上がります。

3、水

基本的にはおうちの浄水器を通したお水で大丈夫です。ただし、硬水だとカルシウムとマグネシウムが多く含まれているため、水自体に飲みごたえがあり、舌の上に残るので軟水の使用をおすすめします。わたしが引っ越した長野は硬水なので、コーヒーを淹れると少しえぐみを感じることがあります。軟水を使っていただく以外に、抽出する際のお湯の温度も90℃〜96℃が理想的です。でもいちいち温度を計るのって面倒なのでヤカンやケトルでお湯を沸かしたら、それを細口ポットに移して抽出しています。ポットに移すと10℃くらい一気に下がるので、適温になります。

4、鮮度

コーヒーの敵は酸素、光、熱、湿気です。これらをできるだけ避けて保管することをおすすめします。豆のままで2週間くらい、挽いた豆だと1週間くらいで飲みきるのが理想的です。ジッパー付きの袋に入れて密封するのが酸化を防ぎ、匂い移りもしにくいのでおすすめです。コーヒーは脱臭剤にもなるくらい他の匂いを吸ってしまうので、紅茶とは別の場所に保管することと、湿気も多く他の食材の香りが移りやすい冷蔵庫での保管は避けていただくとよいです。


[いざ抽出]

前置きが長くなりましたが、ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、粉を入れたらさぁ抽出開始です。

まずは粉全体にお湯を注ぎましょう。このとき、ペーパーフィルターに直接お湯をかけないことがポイントです。(直接かけてしまうと紙の香りだけがサーバーに落ちてしまうため)

粉全体が湿ったらサーバーにポタポタとコーヒーが落ちてきます。ここで一旦ストップ。30秒ほど蒸らしの時間をとります。ここでしっかり蒸らすことで、コーヒーの粉全体にお湯が行き渡り、しっかりと抽出できます。30秒数えるのはちょっとつまらないので、Happy Birth Day to Youの歌を2回歌う(1回約15秒)とかすると少しテンションも上がります。(たぶん)

蒸らしが終わったら1投目、お湯を注いでいきます。500円玉大とか色々言われますが、まずはペーパーフィルターと粉の境目にはお湯を注がないことに気をつけます。ここでゆっくり注ぐか、はやめに注ぐかで出来上がりに違いができます。ゆっくり注ぐと粉とお湯が接する時間が長くなるためしっかりめに仕上がります。ささっとはやめに注ぐと接する時間が短くなるためあっさりと仕上がります。どう仕上げたいかイメージしながら注ぎましょう。

ペーパーフィルターの7割くらいまでお湯がきたら一旦ストップです。コーヒーが落ちていくのを見ながら香りを楽しんでみてください。

粉の上にアクのようなものができるので、それがサーバーに落ちきる前に、2投目のお湯を注いでいきます。先ほどと同じように、仕上がりのイメージを持ちながら注いでいきます。お湯を注ぐスピードでしっかりめか、あっさりめかの違いも出ますが、酸味の出方も関係してきます。コーヒーを抽出するとき、まず酸味の成分が出てから次にコクの成分が出ます。なので素早く抽出すると酸味がしっかりめに、ゆっくりと抽出するとコクがしっかりめに出ます。自分が出したい風味を想像しながら注いでみてください。

またペーパーフィルターの7割くらいまでお湯がきたらストップします。これを繰り返します。

コーヒーサーバーを使う方はサーバーに出来高の印がついていることが多いので、そこまでコーヒーがきたら、ドリッパーにコーヒーが残っていて抽出中でも速やかにドリッパーをサーバーから外しましょう。(熱いので注意)最後まで落とし切ってしまうと量が多くなり味がぼやけてしまうことと、アクがサーバーに入り込んでしまうためです。

抽出が終わったら、サーバーを少し回してサーバー内のコーヒーの濃度を均一にします。これで完成です!

好きなお菓子と合わせたり、家族と共に、ひとりでじっくり、それぞれ楽しみましょう。

ハンドドリップは様々なレシピや作法があり難しいと思われがちですが、自分の好みにアレンジできる抽出方法です。また、天候や淹れる人のその日の気分や体調で味わいも変化したりします。(わたしはちょっとイライラしていたりすると無意識にはやく抽出してしまうし、心配事があったり考え事をしている日はゆっくり抽出で濃くなりがちです。)同じ豆を使っていても毎日同じ味わいにする必要はありません。そんな変化も楽しみながら、ぜひハンドドリップにチャレンジしてみてください!

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