札幌で家を買うことに〜家の断熱のこと

 これは一応、昨日の記事の続き。

トントン拍子に土地が決まる

 もともと、住宅展示場とか、よく見に行っていたのだけど、なんども行ったのは、BESSだった。藤沢にもあったし、代官山の本拠地にも行った。札幌に来てからも、結局、江別のBESSに行った。

 去年の3月のある週末、担当者から、私たちの好きそうな土地が出てます〜と電話もらって、ちょうどスキーの帰りでそこを見ながら通って帰ろう、と敷地に寄った。まだ雪がもっさり積もっている。裏が森になっていて、遠くに暑寒別岳のあたりの雪山が悠然と見えた。

 おお〜〜雪山が見える

 そこは、札幌の人は好まないらしい、坂の途中の敷地だった。ロードヒーテヒングはそこから一本先の道までなので、冬はなかなか・・・という場所。でも、周囲に家もあり、住んでいる人もいる。そして、北海道神宮や円山動物園の裏にあってなかなか雰囲気もある。

 おそらく何よりも、遠くに見える雪山が良かったのかもしれない。その土地が気に入って、そう深く考えてもいない間に話はトントン拍子に進み、ログハウスを建てることになった。

ログ壁のこと

 色々な住宅展示場を見に行って、間取りやら、構造やら、そこの会社の特徴やらを色々と聞いたりした。なるほど。

 当然のことながら、空間にはその会社のコンセプトというのがよく反映される。私がBESS・・・というか、ログハウスを自分の住む家として選んだのにはいくつか理由がある。
 まず、壁が無垢の木であること。これはエコだとか、そういう話ではなくて、単に生理的なもので、普通の壁の構造は色々なもの(柱、柱となる軽鉄、断熱材、石膏ボード、云々・・・そしてそれを仕上げで隠す)がサンドイッチになっている。仕上げもそれを隠すためのものだ。なんとなくそれが気持ち悪い。(家具の下の空間とかもあまり好きではない。)ログ壁は、単純そのもの、木のそのままなので。

 次に、木は断熱性能がとても高いということ。もちろん、断熱に関しては、トータルで考えなければならないし、サンドイッチ壁にしても木を上回るように設計することは可能。単体での素材としての断熱性能のこと。

 そして、これはBESSのコンセプトでもあるが、「遊び」「楽しさ」をコンセプトにしているということ。住むことが機能となってしまった、(誤った)モダニズム的機能主義ではなく、単純でよい。

 「自分でなぜ設計しないのか?」ということ・・・。夫婦二人とも一級建築士なのだから、それは可能だけど、ログハウスというのは、誰かの個人のデザイナーが作り出したものではなく、長い長い年月において、人の歴史の中で形成されて来た住む形態のひとつだ。だから私は自分だけのエゴで家を「デザインする」なんてことをするよりも、自然にできたその形式を信じる。それに、北海道という場所が、私にとってはまだ、純粋な「日本」ではなくてもっと違う何かを内包していて、ログハウスはきっと適しているのでは?と思っているからだろうか?

 まあ、住んで見なければわからない。

窓の断熱

 ちなみに、スウェーデンハウス も見学に行った。ここも寒冷地に住むにはとても良さそうだった。ほぼ注文住宅なのでプランも自由。何より魅力的だったのは、窓の構造(これはスウェーデンハウスの売りである)である。

 家の熱というのは、ほとんどが窓から出て行く。窓の断熱をしっかりしないと家の中での寒暖差ができ、すぐに熱が逃げてしまう。

 ここの窓は、なんと木枠(これが断熱性能が高い)であり、機密性が保たれているので、断熱性能がとても高い。見た目も木枠なのがとても気に入ったが、やはりログ壁の魅力が上回った。

 ちなみに、担当者さんに無理を承知で聞いて見たのは、ログハウスにスウェーデンハウスのような、木枠の機密性の高い窓をつけれないか?ということだった。結果はもちろん無理だったけれど、その組み合わせだったらとても快適な家になっただろうと思う。

本州の家が寒すぎる要因=窓の構造

 北海道に住んで見て痛感したのは、家の中が暖かいこと。これはよく言われることだけど、本州の家は寒すぎる。

 そもそも、窓枠がアルミなのはとても遅れている。アルミは熱伝導性が高いのですぐに熱が逃げる。しかも窓は一重。ガラスも一重。それではいくら暖房してもすぐに寒くなってしまう。(実家なんて、壁にも断熱材なしなので外気温と一緒・・・)

 寒冷地に限らず、窓の断熱性能もあげたらいいのに、と思う。ドイツや確か韓国などでも、アルミサッシュは熱断熱性能の点で、基準以下なので使われていないとか・・・(ちょっとこれはちゃんと調べていない情報)

 ちなみに、窓枠に関しては、素材だけで言えば木枠が一番断熱性能が高く、次に樹脂(これが北海道での一般家庭に使われている素材)、最後がアルミ。の順である。

 その樹脂の窓枠に、ペアガラス(ガラス自体が二枚になっている)を嵌め込み、ガラスとガラスの間にアルゴンガスを注入する。ちなみに、このガラスには金属膜が入っている、いわゆるLow-Eガラスと呼ばれるもの。(寒冷地の家を見ると窓がピカピカ黄金色なのは、この金属膜)。参考までに、YKK APの図が分かりやすい。
 https://www.ykkap.co.jp/products/window/glass/low-e-thermal/

 ガラスはペアガラス(二枚)ではなく、トリプル(三枚)にもできる。

まとめ。

 そんなわけで、景色、壁、窓。というのが結局、決め手だったのか?と自分でも思うけれど、北海道に、ログハウスを建てることに(勝手に)なってしまったのであった。

 そこから一年三ヶ月。プランを変えに変えて、担当者を悩ませながら・・・コロナで出荷が遅れたログ材の到着を待っている。


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