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志望動機を聞くことに意味はあるのか? #志望動機廃止宣言 で本当に伝えたいこと

先日の僕のこの「志望動機廃止宣言」のツイート。
多くの人がRTしたり、リプライでコメントをくれたりしました。

特にリンクアンドモチベーションの麻野さん。

僕は就活・採用シーンのすべてにおいて「志望動機」を聞かなくてもいい、という極論を主張したいわけではありません。

麻野さんの考えていることと本質的には同じなのです。Twitterでも持論をお伝えします、と書かせて頂いたので、今日はそのテーマでnoteを書いてみました。

結論、出会い頭に志望動機を聞くのはナンセンス

結論、「志望動機を出会い頭に聞くのはナンセンス」と思っています。

僕が言いたいのは、就職活動のすべてのフローにおいて、志望動機を聞くというプロセスがまったく必要ないという意味ではなく、最終的に入社を決める段階では志望動機は聞くべきですし、就活生もそれを語れるようになっているべき、ということです。

ただし、出会い頭にとにかくまずは志望動機を聞くというのは、企業にとっても学生にとっても良くないことだなと思います。

就職活動はよく学生と企業のマッチングであることから恋愛に例えられますよね。

①エントリーシート

②グループディスカッション

③一次面接

上記は就活でいうとまだ初期フェーズです。この流れを「マッチング」という言葉のままに、流行りのマッチングアプリでの出会いになぞらえてみると、

①エントリーシート=「いいね」でマッチング

②グループディスカッション=友人もいれて複数人で会ってみる

③一次面接=やっと2人で出かける

こんな感じになると思っていて、出会い頭に問いかける「志望動機」というのは③のやっと二人きりで出かけるフェーズ(しかも、デートと言うにはまだ早いんじゃないか程度)にで急に「なぜあなたは私と結婚したいと思っているの?」と聞いてくるくらい唐突で、身構えるしかない質問なのです。そもそも「志望動機」という言葉自体の重苦しさも要因していると思いますが。

「志望動機」という質問はやめて、対話から価値観のマッチングをしよう

単刀直入に投げつける「志望動機」は、採用する企業のことも、面接を受ける就活生のことも不幸にします。

学生側は、唐突に「志望動機」を聞かれてるものだと身構えているから、数少ない情報をもとに無理やり志望動機をでっちあげてしまうのです。企業の担当者にとっても、そうやって無理やりでっち上げられた上辺だらけの志望動機を聞くことになんの意味もありません。

もしあなたが企業の採用担当者で、なぜこの学生はうちの会社を受けているのか?といった意図の質問をしたいのであれば、「志望動機」という重苦しい質問よりも「対話」をした方がお互いにメリットは大きいです。

「いまどんな業界を受けてるんですか?」とか「ご自身の就活の軸ってなんですか?」といった質問の方が学生も答えやすいでしょうし、企業側も学生の価値観や志向性についてより深く理解しながら、自社とのマッチングを検討することができるかと思います。

企業担当者は to us の質問をしないよう気を付けるべき

また、出会い頭に聞く「志望動機」というのは、言い換えるとto usの質問です。to usというのは自分たち企業に対するwillです。「うちの会社で何がしたいのか?」という。ですが、多くの学生にとって就職活動のスタートは「自分がどうなりたいか」といったto meのwillです。

相手の学生のことを知らないまま、唐突に自社に対するwillを聞くのは急すぎます。まずは「うちの会社」という視点をとっぱらって対話をしてみるべきです。もし、対話を通じて学生の持っている”will”と自社の企業のカルチャーは違うかもしれないと思えば、率直にフィードバックをして「それを踏まえて◯◯さんはどう思いますか?」と聞いてみればいい。

価値観がズレていてダメだということなら、合格・不合格というニュアンスではなくそれこそ純粋な意味で「今後をお祈り」することができてお互いに納得できるのではと思います。

学生側も、まずはto meのwillとして、自分の就活の軸や方向性をいくつか言語化してそれを面接官に伝えながら、企業と自分がマッチングできそうかどうかを探っていく方が良いはずです。

面談・面接のなかで必ず「志望動機」が形成されているはず

また、学生側の「志望動機」というものは就活のフェーズによって精度が各段に異なると思います。

最初から「こんなことをしたいんです」と明言できる学生の考え方はズレていることが多いはずです。なぜなら、そもそも就活の初期フェーズではまだ企業に対する理解度が浅く、Web上でググって得られる限られた情報のなかで生まれる程度の志望動機だからです。

それよりも、面接を通じて人事担当者や若手社員と対話をしていくなかで、自分だったらこの会社でこんなことしてみたい、という「Will for Company」が形成されていくのが自然なありかたのはずです。

社員との対話を通じてはじめて、「この会社で」やってみたいと思えたことが見つかる学生は多いはず。そうした具体的なエピソードと共に語られる志望動機こそが、企業側にとっても本当に聞きたいことに近いのではないでしょうか。

結論、入社をするためには最終的に志望動機が必要だけど、企業側が出会い頭に志望動機を聞くというのはナンセンス、というのが僕の「志望動機廃止宣言」ツイートの意味でした。

学生が自分の価値観を明確にする上で、ライフラインチャート(人生曲線)は有効です。

20卒、21卒あたりでこのライフラインチャートがあれば履歴書もエントリーシートもいらないよ!面談するよ!という企業が出てきてくれるといいなと思います。

「令和」の時代が、日本の就活がアップデートされる時代になりますように。


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