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自然×教育は良いっていうけど本当?なんで?あの尾木ママに教えてもらいました。

自然体験を子どもに伝えるプロになりたい。
いざ「自然体験って何が良いの?」と聞かれた時、はっきりとした言葉で答えを持っていたい。

自然体験の良さを実感はしているけれど、プロを目指すからには、しっかりと人に伝えられるようにしたい。

という事で、あの「尾木ママ」さんに教えていただきました。

Kindle Unlimitedで出会ったこの一冊。
漠然と感じていたことを言葉にしてくれていて、もの凄く腑に落ちた心境になりました。大切な学びの1つとして、ここに記録させていただきます。


① 自然教育って何がいいの?

「子どもを山とか川に連れていくのって、教育に良いらしいね」よくこんなセリフを耳にします。

では実際にはどんな効果があって、どんな理由があるのでしょうか。なんとなく、では無いはずです。

尾木ママさんはこの本で、
「これからの時代が求める力、”人間力”が育まれる」
「自然体験は地頭をよくし、HQ(人間力)を高める」
と書かれていました。

これから求められるのは人間力、生きる力。
ひと昔前の暗記学習はもう古いのよ。

テレビでのイメージと変わらず、語りかけるように書かれているとても読みやすい本でした。では尾木ママさんの言う「時代が求める力」とはなんなのでしょう。

② これからの時代が求める力って?


何か1つを特別に伸ばすより まずは可能性に満ちた土壌づくりを

一昔前の日本では、学校の勉強によって評価されることが多く、読み・書き・計算ができることが良しとされていました。

東大のような難関大学に合格すれば、安定した会社に入れて将来が約束されたような価値観の時代です。

しかし周知の通り、今の時代は約束された安定というものは存在しません。こうすれば正解という道は無く、人は日々激しく動き続ける社会の中で生きていかなければなりません。

人によっては自分に自身が持てなかったり、居場所と感じられる場所を失ったり、夢や希望に対して絶望してしまうことも少なくありません。

そんなこれからの時代が求める力は、考えたり工夫したり、物事を実行したりする力。

つまり「地頭の良さ」であり、たくましく生きていく力であると尾木ママさんは表現されていました。

僕の息子にも、ぜひ仕事や人間関係の色々に負けない心を持ってもらいたいものです…

また、IQ(知能指数)と区別して使われるHQ( 人間性知能)も大事と書かれていました。

【HQ】…Humanity Quotient 脳の大脳皮質にある前頭連合野のもつ、人間らしさを担う知能。

① 将来への夢や展望を司る
② 高い思考力を発揮する
③ 主体性や独創性を発揮する
④ 幸福感や達成感を得る
⑤ 集中力や探究心をもつ
⑥ 感情を抑制し、理論・社会性を発揮する
⑦ 心に理論(相手の気持ちがわかる)を持つ

これらはまさに生きる力、人間力です。先の見えない、変化の激しい時代で子どもたちが、たくましく生きていくためには、HQを高めることは非常に大切ではないでしょうか。

大人の僕でも、喉から手が出るほど欲しい能力ばかりです。こういった力が今の時代に必要になっていくのは本当によく分かります。

そういった力を自然体験が育んでくれるというのならば、自然体験のプロを目指す意欲がより湧いてきてしまいますね。

では、自然体験はそういった「人間力」「HQ」をどうやって育ててくれるのでしょうか。

③ 自然体験の持つ力

自然体験といっても、登山やキャンプ、バーベキュー、川遊び、近所の公園での遊びなど様々なものが含まれます。


動物を発見したり、草で遊んで手を切ったり、木登りしたり、川の流れの中を歩いたり、火をおこしてみたり、土遊びをしたり。プログラムされた作為的で人工的なものではない、何が起こる分からない、すべてが想定外の世界です。

【自然体験で得られるもの】

■状況に応じて体を動かす必要から、体を多様に使って複合的に体を鍛えることができる。
→ 基本的な運動の動作、危機察知・回避能力を高める

■いろいろな苦労・失敗を経験し、克服・前進する体験をする
→自身を深め、自己肯定感を高める

■安全を守るために、ルールを守ったり自立的な行動が身につく
→道徳感・正義感・自立心が高くなる

■予測ができない自然の中で先のことを考える
→計画性をたてる子を育てる

■グループで知恵と力を合わせる
→人の話を聞く力と協働性を高める

こうやって効果が並んでいるのを見ると、まさに良いことづくめですね。ずっと自然体験を繰り返していたら、何でもできる人間が出来上がってしまいそうな気すらしてきます。

要するに自然体験の効果とは「無限大の成長の可能性」なのかと感じました。

スポーツは体を鍛えるけど、決まった動きが多いため特定の部位ばかり発達する傾向があるそう。

英語やビアノなどの英才教育や〇〇式・〇〇メソッドといった早期教育も、特定のスキルや結果を求めすぎると脳の一部を鍛えているだけになってしまう。そして数年で忘れて「普通」の子になってしまう。

もちろん複合的な経験が得られようなプログラムで作られているものもあるけれど、あくまで人工的なものに過ぎず、また親が結果ばかりを求めすぎたりすれば、ただ親が子の時間と他の経験を得るチャンスを奪うだけの残念な結果になってしまう。

自然体験の力とは、多様な経験を得られる、無限の可能性があるものということになります。

学校の勉強ができてもHQが高いとは限りません。人間の脳は、言語を扱う知能や空間を認識する知能、論理的な思考をする知能や記憶など、多くの領域でさまざまな知能を持っています。

それらは、相互に独立して機能するので、ひとつの知能を伸ばせばすべてが伸びるというわけではないんですね。

学校教育には国語や算数など、多くの教科があります。けれど、それらの知能を統合して、コントロールしている前頭連合野を鍛えるような教育は、今までの日本の教育にはなかったのです。

この脳にある前頭連合野という場所が、人間が「人間らしい」活動を行うために重要な役割を担っているそうです。

自然体験を通して五感を刺激する原体験は、この前頭連合野を鍛えて、これからの時代に求められる力を育むことができるそうです。

④ 自然体験は、良い土を作るのと同じこと


自然体験の良さは、想定外の世界にふれて、地頭の良さと、柔軟でたくましい心を育てることでした。

豊かな人生をおくるための、豊かな土台作り、と言えそうです。

畑を耕して、良い土を作るのに似ていますね。

栄養豊かな良い土には、元気な芽が出て、豊かな作物が育つ。

多様な経験を得た子どもたちの心は豊かに耕され、いろいろな芽を出す可能性を持っているということなのでしょう。


初めから大きく育てる必要はない。まずは色んな可能性を秘めた土台作りを。

他の子より早く数を30まで数えられるようになっても、機械的に覚えさえようとしても、小学生くらいになればそれも忘れて他の子と同じような状態に。

豊かさに欠ける土に、立派な苗を植えてたくさん水をあげても、土が豊かでなければいずれ弱々しくなってしまいます。

まずは土を深く耕して、栄養豊かな土を作り、どんな可能性の芽が生えてくるのを楽しみに見守る。

それが大人にできることなのかもしれません。

自然の魅力を子どもたちに伝える、という僕の目標に、はっきりとした1つの理由が持てたような気がします。


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