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兄の結婚式で新郎よりも目立ってしまった話

私は3人兄弟の末っ子。

私が高校生の時、9歳離れた長男が結婚した。

その時に起きたハプニング。

結婚式前の親族同士の挨拶の場面。

両家の親族20人ほどが一列ずつに並んで立ち、長男(新郎)の親族から自己紹介が始まる。



父「新郎の父の耕一です。」

母「新郎の母のリサです。」


次は次男で、その次が私の番だ。


この時、私の緊張は限界を超えていた。

ただ自己紹介をするだけだ。何も難しいことはない。

そうだ、次男の自己紹介をマネすればいいだけだ。

簡単じゃないか。できる…できる…


次男「新郎の弟の次郎です。」


よし、これなら言える。

私が言うべきは

新郎ノ弟ノ ソウスケ デス」だ。

このさい、棒読みだって構わない。

一言でいい。一瞬で済む話だ。


しかしミスってはいけないと思うと余計に力が入って間違えてしまうのが人間。

私は目の前が真っ白になりながら、こう言った。


私「新郎のそうすけデス!」


やらかした。

私は新郎ではない。

いや、それはその場にいた全員がわかっていた。

先頭の白いタキシードを着た兄が新郎だ。


室内は一瞬の沈黙に支配された後、

私側の親族から総ツッコミを浴びる。

次男「お前は新郎じゃないw」

わかってる。正論だ。

新婦側の親族も笑いを堪えている。



私の緊張はさらに高まりつつ、慌てて訂正をした。



私「すっ!すみませんっ!私は新郎の三男のそうすけです!」



新郎と両親以外は大爆笑。

それはそうだ。結婚式が始まる直前に

新郎には高校生になる3人目の連れ子がいる設定になってしまったのだから。


新郎は私を睨みつける。

両親は顔を真っ赤にして俯いている。

次男はみんなと一緒に腹を抱えて笑っている。

次男「お前、俺の弟だと思ってたけど甥っ子だったのか。二人のお兄さんはどこ?」

それからどうなったかは覚えていない。

ただ、結婚式の日から、親戚からは今でも「新郎そうすけ」と呼ばれている。

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