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日本は安心の国

パパの財布が見つかった。

私が探しに出る数分前に見つけた人が交番に届けてくれたらしい。

入っていたお金も全部残っていた。

届けてくれた方は、お礼はいらないからと名前も住所も告げず、立ち去ったと言う。

パパはお財布を無くしてからため息の回数が増えていた。

ひどく落ち込んでいる様子を私もぴぃも見ていたから、見つかったという連絡を受けて、すごく嬉しかったしホッとした。


日本は落とした財布が見つかる確率が一番高いと聞いたことがある。

横断歩道を手を上げて渡る日本人を見て感銘を受ける外国人も多いという。

それくらい日本人は真面目だし、ちゃんとしてる。

堅苦しいルールもあるけど、ルールがあるからこそ守られている気もする。

ぴぃにとっての不登校、日本じゃなかったらと何度か思うことがあった。

今も頭の片隅にある。

子供のうちから多様性が認められていて、ホームスクーリングが浸透している上に、結果でできるできないを判断せず過程を評価するような国もある。

日本にいなければぴぃは、肩身の狭さや、劣等感、罪悪感を感じることなく過ごせるんじゃないか。

自分は自分だからと、完璧やこだわりを求めず、自分の生きたいように生きれたんじゃないか。

日本を出たほうが今よりうんと生きやすいんじゃないか。

なんてことを考えずにはいられなかったけど、

日本人も捨てたもんじゃないね、といったパパの言葉で我に返った。

日本は守られてる。

ぴぃは安心が欲しい子。

だから、結局、日本にとどまり続けるんだろうな。

それも良いけど、

もし、ぴぃが生きづらさを感じて、

自らの足で日本を飛び出したいんだと言ったら、私は迷わず背中を押してあげたいな。

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