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防音相談と専門業者の手がかり

私の仕事場や電話での防音相談において、相談者からよく言われるのが「自社の製品や金額、金太郎飴のような設計仕様の説明ばかり」という不満です。どこの専門業者もホームページやモデルルームは立派なのですが。

それは、説明したりメール・電話で回答する担当者の能力とは無関係なことです。あくまで会社として事業者として設備投資やウェブサイト構築の外注費にお金をかけているというだけです。
結果として、かれらの出してくる提案書は、計画書そのものが他の会社の仕様とそっくりで値段も大差ない。

専門業者とは名ばかりの会社もかなり有りますが、大半は後発の歴史の浅い企業です。自分たちで苦労して勉強したり開発した設計・施工技術ではないのです。防音相談会で、満足な説明や提案を受けることが出来なかった人は、迷わずセカンドオピニオンとなる外の専門家・専門業者を探したほうが良いです。
*中には自社のホームページに記載されている内容の質問に満足に回答できない業者もいます・笑。論外ですね。

直接担当者と対面打合せや電話での質問を行えば、相手の力量は見えます。政治の世界でも、よくメッキが剥がれると言いますが、政治家でも建築の専門家でも、実績や技能のない人の発言内容は軽くて中身がありません。
また、専門業者のウェブサイトのコンセプトや設計仕様の考え方など、具体的に質問すれば、相手の力量は見えると思います。
*仕事場での打合せだけでなく、メールや電話でも概要はわかると思います。ウェブサイトのコンテンツやブログの記事について、率直に質問すると良いです。

防音相談は専門業者の得意分野を見てから申し込む

基本的に専門業者のウェブサイトに、担当現場・案件の実例が記載されていない場合や、相談者(依頼者)が求めるコンテンツが記載されていなければ、専門外と判断して良いと思います。

また、電話やメールで即答できない内容があれば、該当する防音設計・工事は出来ないと判断したほうが無難です。

例えば、木造の防音室ばかり設計・施工している業者は、基本的にマンションの天井やGL壁などの生活防音は出来ません。
逆にマンションなどコンクリート構造の防音室ばかり設計・施工している場合は、木造の音楽防音室は得意分野ではないと思います。

まずは、電話やメールで問合せて、良い感触を得たら、仕事場における防音相談を申し込むという手順が良いでしょう。

看板の大きさだけで判断しないで実績を重視する

私の知る限り、マンションの生活防音や木造の生活防音及び音楽防音室の設計ができる専門家は、大手企業には現在は居ません。
大半が独立開業したり、現役を引退しています。
*私の取引先のベテラン建築士も同じ意見です。

このため、ウェブサイトを運営していない専門家は探すのが困難です。
ホームページやブログを運営している専門家をキーワード検索などで探すしか有効な方法はないと思います。
それ以外の方法では、信頼できる建築士に探してもらうのが良いです。
彼らの取引先に防音設計を専門とするエンジニアが居る場合があります。

まずは、キーワード検索で求めるホームページ・ブログの事例を探して、その担当した専門家を確認することです。
そして具体的な質問をメールと電話で率直にヒアリングするのが良いと思います。

大手企業の失敗事例は、ネット上には殆ど出てきません。むしろ、木造音楽教室の先生のほうが関連情報を持っている場合があります。
ちなみに、私は防音相談において、相談者から大手専門業者や新築業者の失敗事例の相談をいただくことがあります。
このため、その情報によって、新しい設計仕様を作るための重要な手がかりになったこともあります。
私にとっても、防音相談における情報入手は重要です。

なお、契約後の防音設計やコンサルティングでは、木造防音室や木造住宅の生活防音における一般的な建築材(石膏ボード、合板類、シージングボードなど)の施工要領も作成しています。※防音材とセットで施工要領・手順指示書を作成しています。


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