北欧神話-世界創造

Gott kvöld！（こんばんは！）

　今回は北欧神話の世界（ミズガルズ？）はいかに作られたかについて語っていこうと思います。

原初

　太古の昔、世界は何も無い奈落の口（ギンヌンガガップ）と呼ばれる空間があり、その北側に極寒のニブルヘイム、南側に灼熱のムスペルスヘイムが存在していた。

巨人ユミル・牝牛アウズフムラの誕生

　ニヴルヘイムに流れるエーリヴァーガルという川からから毒気を運んでくる。
　やがてその毒は靄となって大気へと立ち上り、突風によって奈落の口へと運ばれる。靄はそこで冷やされると霜へと変わる。
　南のムスペルスヘイムからは熱風が吹き荒れる。
　奈落の口で霜と熱風が合わさると、融けて滴となった。
　滴は人の姿となり、それがユミルとなった。
　次に霜が滴り落ちた時、アウズフムラという牝牛が生まれた。

霜の巨人族の誕生

　ユミルが寝ていると汗をかいた。
　そのとき、左腕の下から男と女が生まれた。
　ユミルの足がもう片方の足と息子をこしらえた。
　そこから、霜の巨人の一族が生まれた。

オーディン兄弟の誕生

　アウズフムラが塩からい霜でおおわれた石をなめた。
　その石から、ブーリという名の人間が現れた。
　ブーリはボルという息子をこしらえた。
　ボルは巨人ボルソルンの娘ベストラと結婚し三人の息子をもうけた。
　それがアース神の主神オーディンとその兄弟、ヘーニル（ヴィリ）、ローズル（ヴェー）である。
※ヘーニル、ローズルは古エッダ、ヴィリ、ヴェーはスノリのエッダ

ユミルの殺害

　オーディン達三兄弟はユミルを殺害する。
　その時流れ出た血の量はおびただしく、霜の巨人族はベルゲルミル一家を除き、全て溺れ死んでしまった。
　ベルゲルミルの一族から霜の巨人族が再び繁栄する事になる。

天地創造

　オーディン達はユミルの身体を奈落の口に運んで解体し世界を作った。
【肉体】大地
【血】海・湖
【骨】岩
【歯・顎・砕けた骨】小石・礫
【髪】樹
【頭蓋骨】天
【脳】雲
【睫】砦

　大地は円形でその周りを海が取り囲んでいる。
　頭蓋骨の四方に小人を置いた。
小人の名はアウストリ（東）、ヴェストリ（西）、ノルズリ（北）、スズリ（南）
　神々は巨人族は海岸沿いに住まわせ、ユミルのまつげを使って砦を作り、人間の住む場所と巨人族を分断した。

人間

オーディン達が海岸沿いを歩くと、二つの木を見つけ、その木から人間を作った。
※作り方は古エッダとスノリのエッダでは少し内容が違うので分割します。
【古エッダ】
オーディンが息を、ヘーニルは心を、ローズルは命の暖かさと良い姿を与えた。
【スノリのエッダ】
オーディンが息と生命を、ヴィリが知恵と運動を、ヴェーが顔と言葉と耳と目を与えた。

そして二本の木は二人の人間となった。
一人はアスク（男）、もう一人はエムブラ（女）といった。
この二人から人間が繁栄していった。