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SDGsの本質を、当たり前のこととして生きる世代 ~ SDGs・探究への招待 #026 ~

 もう2カ月も前の記事なんですけど、「#STAY HOME」の期間中、高校生が医療従事者の方たちへの応援メッセージをSNSで募っていろんな機関や団体、病院などに郵送したことが紹介されていました。

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 力もお金も材料や設備も何も持たない「たかが高校生ごとき」(あえてこのように書かせてもらいます)のみなさんが、しかも「#STAY HOME」の影響で、どこかに取材に行ったり人と会ったりすることができない環境の中で、できることがせいぜいSNSで言葉を集めることぐらい(ここもあえてこのように書かせてもらいます)で、その「ことぐらい」のことが、これほどまでに人の心を掴むなんて、とても考えられないことです。その力に単純に驚きました。
 若さと言葉の力をまざまざと見せつけられました。ややもすると大人はお金やインフラや環境が整わないと何もしないし文句ばかり言いがちですが、子供や生徒は与えられた環境の中で、たとえどんなに劣悪な環境下であっても素直に前向きに無邪気に自分のできることをやってしまうんですね。

 与えられた環境の中で、できることは何かを考えて、他者を思いやり続ける。
 SDGs17の目標と169のターゲットは、他者を攻撃したり批判ばかりすることによってではなく、たとえそれが稚拙にすぎることだったとしても、他者を受け容れ、励まし続ける果てにこそ、実現できるとあらためて気づかされました。
 また持続可能とは、(困難なことだとしても)否定ではなく合意形成を目指し続けることでしかできないと思いました。もしそれをおとぎ話だきれいごとだと言うのなら、SDGsそのものがおとぎ話できれいごとになってしまうということを、「SDGsの本質を、当たり前のこととして生きる世代」に教えてもらいました。

 「#STAY HOME」の環境下で、たとえささやかであっても、できることを考え、行動した勇気と熱意にあらためて敬意を表したいと思います。
 ややもするとやっかみや不安、あるいは不満に起因した偏見や差別、また、似非正義を振りかざした暴力行為が横行する世情にあって、このような愛でしかない、愛の他に何もない行為が現に行われていることは、医療従事者の方に限らず、さまざまなことで深く傷ついている方々や、あらゆる苦難や悲しみと向き合い闘っている方々にとっても、確かに大きな励ましとなって届いているものと、同じ時期に慕っていた大切な先輩を亡くした者として、確信しています。

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