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ナイチンゲールに学ぶ、換気の驚くべき力!

★朝、窓を開けると入ってくる新鮮な空気の威力!

朝、目が覚めると、前日に散らかしたままの部屋が広がっていることがあります。

脱いだものが脱ぎっぱなし、出したものが出しっぱなし、キッチンのシンクには洗い物が山積みです。

カーテンを開けると窓の外は快晴なのに、新たな一日のはじまりは最悪の気分です。

そんなときは、窓を開けてみましょう。

外から入ってくる爽やかな風が、あっという間に、部屋中のどんよりした空気を流し去ってくれます。

大きく深呼吸もすれば、気分も一新。

「部屋をキレイにしよう!」という気持ちに、はや変わりです。

不思議ですね。

魔法がかかったようです。

窓を開けただけなのに。

これが「換気」の力です。

★そうじ力の「換気」2つの効果

そうじ力での換気には2つの効果があります。

一つは、「空気の浄化」です。

換気をすることによって、室内に溜まっていた汚染された空気を入れ替えします。

一日中締め切った部屋で家族が活動をすれば、二酸化炭素の量も増えますし、室内の空気は汚れます。

2つ目は、「人から発せられるエネルギーの入れ替え」です。

汚染された空気が漂い、かつ、乱雑な部屋にいると、人の気持ちもマイナスになりがちです。

そんなときに、窓を開けて新鮮な空気を室内に入れることで、気持ちも切りかえることができます。

コロナウィルスの感染が拡大している時期、このそうじ力の換気はとても重要です。

★人の命を守る換気

それは、あなたの心と体を守るからです。

つまり「命」を守ることになるのです。

家族がいる家庭では、換気は「家族の命」を守ることになります。

学校や職場では、1時間に一度、換気をしている所も多いでしょうが、自宅でもぜひ「換気」の実践をしてください。

最低でも、朝、昼、夕方、夜と4回はしていただきたいですね。

まずは実践です。

さあ、今すぐ窓を開けて換気をしてみましょう。

換気をする際のポイントは、空気の通り道を作ることです。

窓は2箇所以上開けると、空気がスムーズに流れます。

換気をしながら、背伸びをして深呼吸もしてみましょう。

5分ほど換気をすると、心も体もスッキリします。

ところで、そうじ力の実践に「換気」が入っているのはとても不思議ですよね。

数ある掃除本のなかでも、「換気」の実践をすすめているところはないでしょう。

僕自身、部屋の汚れ以上に、室内の汚染された空気に対して敏感だということもありますが、

実は、この「換気」、近代看護の創始者フローレンス・ナイチンゲール(1820~1910)に影響を受けているのです。

★フローレンス・ナイチンゲールから学ぶ換気の重要性

ナイチンゲールといえば、病院の建設に携わったり、看護学校を設立して優秀な看護師を数多く輩出したりと、現代の看護につながる大きな功績をたくさん残しています。

病院での各階でお湯と水が使える給湯設備も、ナースコールも、患者の食事を運ぶリフトも、すべて彼女の発案なのです。

その中でも彼女が最も大切にしたことが、実は「換気」なのです。

ナイチンゲールは、1854年に勃発したクリミア戦争の際に従軍看護師として戦地に赴きました。

彼女がスクタリの病院で、懸命に活動したにもかかわらず、25000人いた兵士のうち18000人が病院で亡くなってしまいます。

その時、負傷兵の死亡率は42%にまで跳ね上がったのです。

その後の調査で、兵士の死亡率を高めている原因が、下水道の真上に病院が建てられていたため、水質汚染、換気不良、過密による空気汚染であることがわかりました。

つまり、

汚れた空気による伝染病の院内感染が、死亡率を上げていた原因だったのです。

ナイチンゲールは、環境汚染が兵士達の命を奪っていたことを見抜けず、助かる命を死に追いやってしまったという罪の意識に苛まれ、その衝撃で虚脱状態になったようです。

この時の体験を踏まえて、病院内の衛生管理を徹底します。

とくに「換気」を重要視しました。

★看護覚え書第1章「換気と暖房」

ナイチンゲールの代表的著書である「看護覚え書」の第1章が「換気と暖房」です。

冒頭部分を抜粋してみると、

よい看護が行なわれているかどうかを判定するための規準としてまず第一にあげられること、看護者が細心の注意を集中すべき最初にして最後のこと、何をさておいても患者にとって必要保不可欠なこと、それを満たさなかったら、あなたが患者のためにする他のことすべてが無に帰するほとたいせつなこと、反対に、それを満たしさえすれば他はすべて放っておいてよいとさえ私は言いたいこと、それは「患者が呼吸する空気を、患者の身体を冷やすことなく、屋外の空気と同じ清浄さに保つこと」なのである。

「ナイチンゲール著作集第1巻 看護覚え書より抜粋」

これがナイチンゲールの思想の核なのです。

第2章も住居の健康と題して、住居における「換気」の大切さが説かれています。

室内にたまるホコリを取り除く大切さ、床や壁の清潔さも、室内で洗濯物を干さないことも、すべて清浄な空気を維持するためのものです。

★換気の天使ナイチンゲール!

今回、ナイチンゲール著作集全3巻を読み返してみましたが、彼女の著作の中では、繰り返し繰り返し、汚染された空気の危険性、清浄な空気の重要性、換気の大切さについて述べられていました。

普通ではなかなか、換気の重要性はわかりません。

ナイチンゲールは、感染症の病人が吐き出した病原菌を含んだ空気を吸い込むことによって病気が感染し、多くの人が死んでいくのを現場で観てきたからこそ、これほどまでに強く換気の重要さを訴えているのです。

彼女が設計した病院では、ベッドとベッドの間に適切な空間を設け、すべての患者の頭上に換気用の窓をつけたといいます。

これにより、伝染病に対して絶大な効果を発揮し、多くの命を救ったのです。

まさに「換気」の天使です。

新型コロナウィルスも病院内でのエアゾル感染によって被害が拡大しているところも増えています。

換気を第一に考えて、トイレなど空気の流れの悪いところは、サーキュレーターなどを使って強力に排気をして、命を守っていきたいですね。

個人としてもこの機会に、自宅の換気をする習慣を身に着けていただきたいです。

毎日新鮮な外気を吸っていると、清浄された空気を身体は覚えます。

そうなると逆に、汚れた空気がわかるようになります。

汚れた空気がわかるようになれば、換気されていない危険な空間がわかるようになるので、個人としての危機管理が強化されると僕は思っています。

今回を機会に自宅でも換気の実践をしてください。

さて、次回は壁拭きです。

部屋の壁を拭いたのはいつですか?

壁を拭くことで得られる絶大な効果をお伝えしますね。

行動に移すか?移さないか?

それはあなた次第。

また、次回お会いしましょう。

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