宝石のような装丁を求めて【コスモテックさん箔押し相談】
いつも記事を読んでいただき、ありがとうございます!
一次創作物書きの湊波です。
2024年5月の文学フリマ東京に向けて原稿中の身ではありますが、先日、コスモテック様に箔押し表紙の相談@現地をさせていただきました。
(コスモテック様、本当にありがとうございました!)
もう、なにもかもが素晴らしかったので、依頼の経緯から当日の様子まで、記録として残しておきたいと思います。
箔押しが好きな方、コスモテック様への依頼を考えている方の後押しになれば幸いです。
一次創作小説というジャンルでも、ここまで踊り狂ってるやつがいるんだぜ!という勇気(勇気?)も配れたらいいな、の気持ち。
なんせ、どえらい記事が長い&大興奮でお届けしてるので、相談の様子だけ知りたい方は、「3.現地での相談当日」からどうぞ~。
1.箔押しのコスモテックを知るまで
数年前から、コスモテック様の箔押し作品のファンです。
そもそものきっかけは、fengfeeldesign様の装飾活字を、コスモテック様が箔押しカードに仕立てて、販売されていたことでした。
様々な紙の種類(色だけじゃなくて、紙の手触りも違う)に、色とりどりの箔押しがされていて、紋様も細やかで美しく…かたむけるたびに、ちらちらっと星が瞬くみたいな輝きがあって…まさに紙の宝石そのものでした。
余談ですが、fengfeeldesign様の装飾活字は大変に美しいので、こちらのファンでもあります。
ここからコスモテック様のHPやSNSを追いかけるようになり、いくつか作品をお迎えしておりました(今年の福袋も最高でしたね!)。
コスモテック様では、オリジナル柄で箔押し名刺やしおりを作っていただける(箔と紙はコスモテック様が選んでくれる)サービスもあり、毎回、破茶滅茶に素晴らしいものを作っていただいています…本当にありがとうございます…。
2.相談にいたるまで
1|依頼したいと思ったきっかけ
2024年1月28日、週一でweb連載していた長編小説を完結させることができました。20万字超の長編完結は、私の人生で4作目となります。
長編完結後は、自分へのご褒美のために同人誌にすると決めています。でも、一生で出せる長編はこれが最後かもしれない…ならば最の高の本を作りたい…己のすべてを賭けて…。。。
ならば、憧れのコスモテックさんに、表紙の箔押しをお願いしたい!
2|最初のメール
思いたったが吉日と、コスモテック様にどきどきしながらメールしました。ただ、このときは表紙デザインを考える前で…とりあえず、納期と予算の判断基準が欲しくて、連絡をとった次第です。
確認したのは、以下の点でした。
個人での依頼を受けていただける状況かどうか?
凝った箔押し加工というよりは、「理想の紙と箔押しの組み合わせ」を一緒に探していただきたい…というモチベーションでの依頼なんですが…
最小ロットは何部から?
見積もりと納期の目安は?
すると、コスモテック様から、依頼OKのお返事が!!
この時点ですでに小躍り状態で(ヲタク、早めに喜びがち)、見積もりと納期も問題なさそうだったので、正式に依頼させて頂きました。
3|相談当日までの作業
大きく分けると2点です。
1点目は、印刷所さん探しでした。
今回は表紙の箔押しをコスモテック様に、製本を別の同人誌印刷所さんに…という計画です。なので、印刷所さんを選び、コスモテック様から出された情報(紙の種類etc)を先方に伝え、逆に印刷所さんからの注意点をコスモテック様に伝え…ということで、連絡役みたいな作業をしています。
2点目は、表紙デザインの作成です。
今回は、3巻構成のシリーズものだったので、各巻ごとに同じ箔模様で、紙と箔の種類を変えてみたいな~と思いました。話の内容としては、洋風な世界観のロマンスファンタジーで、ちょうど海外の装飾写本のデザインに心がときめいていた時期でもあり…。
ならば、fengfeeldesign様の装飾活字があうのでは!?
紙と箔お任せ名刺の、表紙カバーverみたいな!?
それは個人的ビックコラボじゃん!!!!!
…とテンションあげあげで、表紙デザインを組んだ経緯があります(勢いだけはあるヲタク)。
実際には、装飾活字を綺麗に組む難しさにぶち当たったり、そもそもイラレの機能を把握しきれてなかったり、途中で各巻の背幅を揃えないといけない(ということは、ある程度、本文データをindesignで作らないといけない)ことに気づいたりと、すったもんだあったんですが…。。。
印刷所さんから背幅に関するアドバイス頂いたり、「こんな箔と紙を使うのはどうです?」とコスモテック様からメール頂いたり…とにかく各方面からの優しいメールに助けられました…ありがとうございます…。。。
というわけで、無事に表紙データができました!
よ、よかった~~~~~!!!
3.現地での相談当日
ぜったいに興奮のあまり正気を失う自信があったので、理性要員として相方のあなぐまさんを連れていきました。正解でした。
さて、作業場にお邪魔させて頂き、挨拶もそこそこに…コスモテック青木さんからの「ところで、ここにいくつか並べてるんですが…」の一言…。
いやもう、ここからがすごかったですね!?!?!?!?
人生で類をみないほど興奮してたし、マッハで時間が過ぎていきました…浦島太郎もかくやの勢いですよこれは…。
とにかくあまりにも美しすぎる。素晴らしすぎる。
まずは、金の箔×2種類目の箔の組み合わせで考えていただいたんですが、
ひとくちに金といっても、「きらきらの金にするか」「輝きを抑えて古風に攻めるか」
2種類目の箔も、「RGBを意識して、各巻で赤・青・緑と箔色を分ける作戦にするか」(RGBって、全部重なったら光なんだよな…素敵解釈)
2種類目も「金色」にして、「金の箔」×「金の箔」にするか(最高にゴージャス)
いやいや、2種類目を「銀色」にする作戦もありますね(物語のイメージ的に、天気雨の要素があってもよかったので、嬉しい)
などなど…とにかく可能性が無限大で…(ここで息継ぎ)。
なんとか、金の箔×RGB作戦に落ちついたあとも、青箔は青箔でも、きらきらの青と、きらめきを抑えた青があってね…というのをね…実際の箔押しとともに見せてくださって…。
しかもなにがすごいって、「この紙と箔の組み合わせは素敵で…じゃあ、他の紙色だとどうだろう…?」って、ぽそっと言ったときに、その場ですぐに箔押ししてくださって…いやもうそれは、お洒落なバーのカクテル作るやつ…そんな、私の無邪気なつぶやきに対応してくださって…そんな…そんな…そんなの、ますます好きになるしかないやん…好き…。。。
とにかく脱線しましたが、実物ベースで最高解を探していく雰囲気が、ほんっっっっとに楽しかったし、ありがたかったし、「私も、こんなふうにありたい~~~」と憧れるようなプロ対応でした!!!!!!ありがとうございます!!!!!
そんなやりとりを重ね…
この組み合わせに決まりました!!!!!
金箔だと、ちょっと華やか寄りになってた赤色表紙が、一気にクールでひきしまった雰囲気になり…「こ、これだ~~~~!!!!!」というかんじでした!
最初に赤色の紙で提案いただいたので、すぐに青色、緑色の紙でも見本を作っていただいて…百点満点どころか、二百点満点の仕上がりだったので、これでお願いすることに。
でも、話はまだ終わってなかった!!!
メールで事前に話はいただいてたんですが、「せっかくなら、こういうカスレの加工もできますよ~。表紙のクラシカルな雰囲気にもあうとおもうんですが、どうでしょう?」と、青木さんからご提案が!
っっっっっっっ、だ……………
最高すぎたね……………………………
人が何年も手で触ったあとの、表紙が微妙に剥がれたあのかんじ…あのかんじが…加工として表現できる…?えっ、うそ、できるんです!?えっ、あっ、そうやって作る!?!?の!?!?!?!?すごすぎんか!?!?!?!しかも、カスレの度合いも調整できる!?!?!?!?
お願いします!!!!!!!!!!
図書室の古い本!!!!まさにそのイメージです!!!!!
というかんじで(実際はもっと正気を失ってた)、
黒銀×色箔×かすれ加工という最強の装丁が完成しました!!!!!
本の宝石ですよ!!!!これはもう!!!とてつもないものができた!!!
4.採用しなかったけれども素敵すぎた箔押し
どれもあまりにもよかった…………。。。
機会があったら、どこかのイベント会場に実物持ち込みたいレベル…。
5.全体の感想
もう、とにかく最高でした……………
当時のツイートが一番端的な気がする…………
紙の手触り、箔の種類にフォーカスした記事でしたが、
そもそも細かい点や線の凹凸まで、再現に賭ける熱意が半端なく…どう眺めても最高の仕上がりなんですよ…もう絶対に現物見たほうがいい…文学フリマ東京が初売りです…買わなくてもいいから、現物だけ見てくれ…そして私は絶対にこれを世に出す…絶対にだ…原稿作業をする…(強い決意…
採用案は1つだけなんですが、採用しなかった案もすべて素敵でした。
技術的に優れているだけじゃなくて、「箔押しを通して、お客さんが再現したい雰囲気を、最大限にまで具現化する」という価値提供の姿勢がまじで素晴らしくて、なんかもう、そこにこそ、コスモテック様の素晴らしさの真髄が詰まってるんじゃないかと思います。私は、この箔押し作品に見合う人間になりたい。
箔押しが生み出されていく瞬間、職人さんたちが機械を扱う手つき、その背中…なにもかもが最高でした。一生の思い出になりました。
コスモテックさん、ほんっっっとうに、ありがとうございます…!!
引き続きの作業も、一緒に頑張っていきたいとおもいます!よろしくお願いします!!
最後に宣伝ですが、今回の本は2024年5月19日の文学フリマ東京が初売りです。1~3巻をまとめて購入頂いた場合にのみ、箔押しverをお渡ししようかと思います。最新情報は、私のSNSでどうぞ~。
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