4月


4月が訪れた。新年が静かに始まる。 街の騒音は遠く、人々の声はかすかな囁きとなる。心の奥底では、新たな挑戦への渇望や人との交流への欲求が、春の息吹と共に芽生える。もちろん、怒りや悲しみもある。

言葉にすべきでないことや、言う必要のないこと、そして言いたいこと。これらは同時に私の内に渦巻き、心を揺さぶる。しかし、大抵は矛盾し合い、最終的には孤独が最も心地よいと感じさせる。

人々に会いたいとも思う。みんなの話を聞き、みんなが見た世界を知りたい。それを全て満たすのは難しい。叶えたい夢や願う未来が全て叶うなら、どれほど美しいだろう。しかし、それには何かを犠牲にし、時には誰かを傷つけることも含まれる。

自分が嫌だと思うことを伝える際、強い言葉が自然と口をついて出る。それは時には相手を思いやる心からだが、自分勝手なのかもしれない。その矛盾を知りつつも、そうした矛盾と共に生きていくことの息苦しさ。もっと寛容な心を持ちたい。何も感じず、動じない自分でいたい。

そして、窓の外を見る。春の光が、ゆっくりと部屋の中に満ちていく。新しい芽生えの予感がある。それは、希望のようなもの。新しい年の始まりに、新しい自分を見つける旅。まるで長い冬の眠りから覚めたかのように、心を躍らせる。

静かな部屋の中で、私はふと、過去の自分と対話を始める。あの日、あの時、もしも違う選択をしていたら、今の私はどう変わっていただろうか。過去の選択が今の自分を作り上げている。それは、避けられない真実だ。しかし、新しい季節は、新しい選択を促す。春の光の中で、私は再び自分に問いかける。これからどんな自分になるのか。まだまだ私の物語が続くのだ。

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