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あなたの好きな旅館、教えてください。

昨今の宿泊は、民泊や、バケーションレンタルなど、様々な形態が登場しており、必ずしも「旅行=旅館」という方程式ではなくなってきている現実があると思います。
「そういえば、最近旅館に泊まってないな~」
という方も、多いのではないでしょうか?

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15年ほど前、私は東京でホテル専門学校に通っていました。在学中は本当に様々なことを教わり、同じ業界を志す仲間もでき、刺激のある時間を過ごしました。
色々教わったことの中に、とても印象に残っている話があります。

「ルームサービス」、「ターンダウン」、「コンシェルジュ・バトラーサービス」。
ホテルだと、いわゆる「高級ホテル」とされる一部の施設しか行わないサービスです。
ではこのサービスを、旅館に当てはめてみましょう。
「部屋食」、「布団敷き」、「仲居さん」。
旅館においては、特別なことではないでしょう。
旅館は、このようなサービスを、当たり前に提供しています。
これは、世界に誇るべき日本の文化であるはずですが、実は多くの日本人はこのことに気づいていません。
以前、旅館に生まれて初めて泊まった留学生が、
「先生、旅館には日本があります」と教えてくれました。

「旅館って、そうだったんだ。今まで、考えてこともなかった。」
旅館を営む家に生まれ育ち、旅館が身近になりすぎていたのかもしれません。
そのため旅館の文化や、旅館のサービスに対して感覚が鈍くなってしまっていたのかもしれません。
この話を聞いたときは、目から鱗が落ちるって、こういうことを言うんだと感じたのを覚えています。

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時代の変遷に合わせて、旅館のサービスは多様化したり、変化したりすることはもちろん避けられないことではあるし、必要なことでもあると思います。
しかしそれと同時に「旅館」というひとつの日本文化を理解し、大切にし、残していかなければならないとも感じています。

そのためにはどうしたらよいか?
私たち旅館の立場から、旅館の魅力を発信することはもちろん大切なことではあるのですが、やはり限界があると感じます。

旅館が好きな方は、国内外、たくさんいらっしゃると思います。
私ももちろん、その中の1人です。

「旅館を本当に好きな方が、旅館の本当の良さを伝える。」

私たち旅館に携わる者がどれほど言葉を並べても、結局これに勝るものはないと考えました。
旅館が好きな方には、思い出に残っている旅館、もう一度行きたいと思っている旅館、何回もリピートしているお気に入りの旅館・・・。
様々な旅館があるのではないかと思います。
そんな旅館を気軽にシェアできる場を作りたいと思い立ちました。

そこで、Instagram上で@loves_ryokanというアカウントを作成しました。

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好きな旅館がある方には、まずはシンプルに「#私の好きな旅館」というハッシュタグをつけて、自分の好きな旅館の写真を気軽に投稿していただきます。
そして、さらにこのハッシュタグをつけて投稿していただいた写真を私たちで厳選して、@loves_ryokanのアカウント上でご紹介し、皆様の力でギャラリーを作っていきたいと考えています。

投稿された「旅館の写真」が少しでも人の目に触れていくことで、旅館にあまりなじみのない若い世代や、旅館に泊まることに興味が無い人などに、少しでも「旅館」を知っていただく機会が増えていけば・・・
そんな思いをこめて、このアカウントを作成しました。

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これから長く旅館を続けていくためには、自身が経営する旅館を守っていくだけでは足りないと感じています。
旅館そのものの魅力や、旅館の文化への理解を広めていくことが、必要不可欠です。

本当に小さな一歩だとは思っていますが、旅館が好きな皆様、これからより長く旅館を楽しんでいくために、私たちと一緒に旅館のすばらしさを発信していきませんか?




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