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相続トラブルははぜ発生するのでしょうか?

こんにちは!
今日は「相続トラブル」について書いてみたいと思います。


まずは相続について

相続は「人が亡くなった場合」に開始されます。
相続とは、ある人の財産が他人に受け継がれることを言います。

私たちは生きている間、自分の意思に基づいて、自分の財産を自由に売却し、賃貸することができますが、人が亡くなると本人の手元から離れて、その人の配偶者や子などの身内・親族に受け継がれます。

相続が発生した時、亡くなった方を「被相続人」といい、亡くなった方から財産を受け継ぐ方のことを「相続人」といいます。

誰が相続人になるのかについては、民法という法律が定めているものがあり、それを「法定相続人」と呼ぶこともあります。

包括承継ってなに??

日本は法治国家なので、民法が存在します。
その民法では、相続人は「被相続人の財産に属した一切の権利義務」を承継すると定めています。

被相続人が置かれていた立場や地位を、そのまま相続人が引き継ぐことをいいます。
これを包括承継といいます。

不動産・現金・預貯金など、金銭的な価値を持つもの、現物だけを相続するわけではないのです。

たとえば、被相続人がAさんに建物を貸していた場合、建物の貸主(大家さん)という地位が相続人に承継されるので、相続人が被相続人(亡くなった方)に代わり、Aさんに建物を貸し続ける必要が出てきます。
(大家さん亡くなったから急にアパート追い出されたら、住んでいる方からするとたまったものではありませんよね)

また、被相続人(亡くなった方)がBさんからお金を借りていた(借金)をしていた場合は、借主の地位が相続人に承継(引き継がれる)されるため、相続人は亡くなった方に代わり借金を返済しないといけないのです。

一身専属権ってなに??

被相続人(亡くなった方)の一身専属権は例外的に相続されません。

一身専属権とは、その人だけが持つことのできる立場や地位のことを意味します。

例えば、子の親権者の地位、会社の従業員の地位、著名演奏家としてピアノを演奏する義務などがあげられます。

これらは、その亡くなった方個人に与えられた権利なので、例外的に相続がされないというものです。
確かに、ピアニストの母が亡くなって、娘がピアノ弾けない場合、突然ピアニストの地位を与えられても困りますよね。

相続人としては、相続する際、被相続人の立場や地位が一身専属権なのかどうかを確認することも必要になります。

何がトラブルの原因になるのか

相続に関しては、さまざまなトラブルの発生が考えられますが、次の3つに分けられます。

①相続人は誰かについてのトラブル

父が亡くなった時点で、母がすでに亡くなっており、相続人が子1人だけで、他に父の兄弟姉妹などの親族も一切いないとします。
このケースのように、相続人がすぐに確定するときは、相続人が誰かをめぐってトラブルが発生することはありません。

ですが、亡くなった後に相続人の存在が判明したり、相続人であるはずの人がその資格を失ってしまうなどの事情が発生したときは、相続人が誰かなのかをめぐってトラブルが発生することがあります。

たとえば、父が亡くなった時点で、母がすでに亡くなっており、相続人が子2人の時は、相続人が子2人に確定するのが原則です。
ですが、後から父に隠し子(婚外子:非嫡出子)がいたことが分かると、相続人として子が1人増える結果、子2人が相続できる財産が減ります。

(預貯金1,200万円を相続する場合、子2人が相続人であれば2分の1ずつの600万円ずつ相続できます。

しかし、隠し子1人が発覚した場合、子3人で相続となるので一人400万円となり、一人当たりの相続額が減ることになります)

これが相続トラブルの原因になります!

また、Aさんが亡くなった時点で、Aさんに配偶者も子もいなければ、Aさんの父母が相続人として確定するのが原則です。
ですが、後からAさんに子がいたことが発覚すると、相続人はAさんの子1人になる結果、Aさんの父母は相続人ではなくなります。(相続人としての資格を失います)

さらに、相続人が亡くなった方を殺害して刑罰に処せられたなどの事情があると、相続人としての資格を当然に失います。これを「相続欠格」といいます。
そのため、相続欠格に当たる相続人が存在しないことを前提にして、相続人を確定することが必要になります。

②遺産を分けるときのトラブル

相続する人がどのくらいいるのかが確定できたとしても、とくに相続人が2人以上いる場合(共同相続人といいます)には、相続人同士で遺産(亡くなった方から相続した財産)をどのように分けるのかという問題が発生します。

これが「遺産分割の手続き」です。

遺産が現金や預金だけの場合は、相続人同士で分けることは比較的簡単です。
ですが、遺産の中に不動産や動産(不動産以外の物のことを指します)がある場合、これらは物理的に分割ができないため、その相続人がどの不動産や動産を取得するのか、そして、不動産や動産を取得しない相続人に対して何らかの取り分(現金や預金など)を認めるか、などの点については問題が発生します。

ここに亡くなった方の遺言がある場合は、遺言書に記載されている内容に従って遺産を分けるので、基本的には遺産分割についてトラブルは発生しにくいと言えます。しかし、遺言に何らかの問題があって存在しないと見なされる(無効とされる)こともあり、その時は相続人同士で遺産分割をせざるを得なくなります。

遺産分割は話し合いで解決しなければ、家庭裁判所に調停や審判を申し立てる必要が生じます。そうなってくると、最終的な解決まで長期間を要するので、相続人の負担は大きくなります。

③相続税についてのトラブル

相続人が実際に遺産を取得した場合、基礎控除を超えると相続税の支払いが必要になります。不動産をはじめ高額な財産を相続したときは、相続税も相当な額になるので、遺産分割にあたっては、相続税の支払いが可能であるという観点も大事になってきます。


相続したくない場合の選択肢もあります

相続人は、自分の意思に関わらず、亡くなった方の権利義務をまとめて承継しなければならないのが基本ルールです(包括承継)。ですが、亡くなった方が借金ばかりを遺した場合など、相続をきっかけとして、相続人に多大な経済的負担をかけることもあります。

相続人としては、借金などの相続はできる限り回避したいと思います。

民法では、このような経済的負担の回避を認める手続きとして、相続人としての資格を自ら失わせる「相続放棄」と亡くなった方のプラスの財産の範囲でマイナスの財産(借金など)を承継するという「限定承認」の制度を設けています。

ただ、「限定承認は相続人全員で行う」という制約がある点に注意を必要とします。

今日はこのくらいで終わります!
まだまだ相続に関しては気をつけなければいけないことなどありますので、随時発信していきたいと思います♪

ご拝読ありがとうございました!(^^)

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この記事は相続を考えている人、または相続の対策を考えている人のために、参考になればと書かせて頂いています。相続について、ご質問、ご相談があれば、お気軽に「相続について教えてほしい」「ちょっと相談したい」とご連絡ください。
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