信頼のWeb
みなさんこんにちは、Stake Technologiesの渡辺創太です。10月になり自分の抱えていた仕事がほんの少し一段落したので、ブログを更新したいと思います。Stake TechnologiesのミッションはWeb3.0を実現することでありそのためにPlasm Networkというパブリックブロックチェーンを作っています。
昨今、Web3 FoundationやProtocol Labなどの先駆者が議論しているWeb3.0はブロックチェーンのような分散台帳をもちいて既存のWebを再構築しようという試みです。既存のテックスタックを取り払ってもう一度0から構築しようという人々と、既存のテックレイヤーの上にご互換性のある形でオーバーレイネットワークをブロックチェーンをもちいて作ろうという人たちがいますが、後者の方が現実的そうなので後者の話をします。
現在のWebの問題点
現在使われているWebにはいくつかの問題点があると思います。最近より課題間を感じるのは広告とフェイクニュースです。GoogleやFacebookを見ると一目瞭然ですが広告がWeb2.0での主要なビジネスモデルとなっています。人間の興味を引くということ自体にお金がつき始めると厄介です。フェイクニュースや正しくない情報が出回ります。こういった情報は人の関心を引き付けやすいからです。2018年のWeb3 SummitでProtocol Labのファウンダー Juan Benetはこの現象を「今のWebは人を怒らせることに最適化している」と表現しました。
そしてもう1つはデータが企業にロックインされているということです。アメリカの大統領選挙で個人のデータから企業がターゲティングを行い意思操作をするといった事例はすでに起こってしまっています。本来企業の営利活用のためのデータではなく人間中心のデータ活用が進められなければいけないはずです。
情報、価値、そして信頼
インターネットは情報(Information)において、ブロックチェーンの最初のユースケースであるBitcoinは価値(Value)において以下のような進化がありました。(厳密にはBitcoinが先にあってブロックチェーンという言葉ができたわけですが)
インターネットの効用はもはや説明不要だと思います。Bitcoinにおける価値の取り引きは金とbitcoinを参考にするとわかりやすいと思います。ここまでは多くの人が理解しています。
ブロックチェーンレイヤーを既存のWebスタックに組み込むことでどのような効果があるのか?というのが大事な検討ポイントですが、僕は取り引き自体の信頼(Trust)において同じ効用があるのではないかと思います。
取引における信頼(Trust)は一部の人のみが提供できるものでした。銀行が言うのだから、国がやっているのだからといった具合です。これをブロックチェーンを用いることで信頼を置く対象が国や企業ではなくプロトコルそれ自体になるため誰でもその恩恵を安く早くいつでも受けることができるようになります。例えば、弊社の開発したスマートコントラクトに先月4週間で約54億円分の暗号資産がロックされたのですが、これはこのロック先のスマートコントラクトがデプロイされていて開発者も持ち逃げできないということがコントラクト上で定義されているため参加者は我々ではなくコントラクトを信頼すればよいわけです。
これにはメンタルモデルの大きな変化が必要です。ロジックを理解しても、では実際に明日からブロックチェーンを信頼して取り引きを行なおうという人は少ないでしょう。初期は企業が信頼を担保しつ徐々に移行していくのがベストプラクティスだと考えられます。そして、この移行はデータの指数関数的な増大というイベントによって必要に迫られる形で実現することになるのではないかと思います。人間が取り引きにおける信頼を提供する既存の仕組みではデータの量と取り引きが爆発的に増加していくなかで限界があるはずです。
ちなみに、取り引きにおける信頼を変えるというのは新しい話しではないと思っています。
2008年のBitcoinの著名な論文、サトシ・ナカモトが論文中で最も多用している言葉が取り引きと信頼・信用です。
Stake TechnologiesはWeb3.0を実現するため、パブリックブロックチェーンを開発しています。絶賛エンジニア採用中なのでご興味いただけたら、info@stake.co.jpまでご連絡いただけるとうれしいです。
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