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サックスへのコンプの使い方

初noteです。ソウタです。サックスやってます。主に音楽のことを書いていこうと思います。日常生活で語るほどの自信はないけど興味あるようなことをここに書いて、会話のきっかけになればと。

コロナ禍で、ライブやリハができなくなって新たに録音とかDTMなるものにチャレンジする人も多いんじゃないかと思う。そこでタイトルにしているコンプの使い方について少し整理してみた。自分も経験が浅く、あくまで自己流なのだが、意見交換につなげたい。

コンプレッサーとは

まず、コンプについて、ざっくりと書く。

楽器や声を録音してから音源にするまでの流れでは

まず、楽器(声)→マイク→マイクプリ→データに変換→PC

という風に記録する。マイクプリと変換はいわゆるオーディオインターフェースに入っている。その後、記録した各パートの音量や音質を調整して全体を調整して完成!というのが最もシンプルな表現だと思う。

詳細は省略するが、調整の時に使うツールの1つがコンプレッサー。役割は、大きな音も小さな音もはっきり聞こえて且つ、うるさくないようにすること。言い換えると、感覚上でのダイナミクスを保ちつつ音量差を圧縮するのが理想的なコンプレッサーと言える。

コンプにも種類があって、下記のページに詳しく書いてある。

サックスには、どのコンプを使うか?

先ほど紹介したページには、Optタイプのところにサックスに合うと書いてある。理屈を抜きにして、原音忠実!というイメージ。

今回は、Maceo Parkerの「Shake everything you've got」を実際にテナーサックスで演奏して録音し、OptタイプとFETタイプを適用して比べてみた。

各コンプは、Universal Audio社のオーディオインターフェイスに搭載されているプラグインを使用した。

まずは、コンプ無しの音源から。

メロディが聞こえるようにミキサーの音量だけを調整した。意外と悪くない。どうやらマイクプリの中にもOptコンプがあって、ある程度整えた状態で出力されるらしい。

Optタイプ

マイクプリで自動的にOptコンプがかかるが、改めてOptコンプを後段に入れることでしっかり整えてみた。

だいぶ原音に近い印象。アクセント無しでのひっかけ等が聞き取りやすくなっている。ここで、音を聞きながらメーターを見ていただきたい。Optコンプはアタックタイムが遅い(10ms)ので、音の出だしが圧縮されずにキツくなると予想していたが、そうでもないなと感じた。実際、アタックの立ち上がりは圧縮されていないのだが、こういう曲のサックスにはアタックで圧縮がかからない方が合うのだろう。ただ、気になるところもあり、音が太くてパートが増えるとうるさくなりそうなので後段でEQを上手に使わないといけない気がした。さらに、リリースが遅い(メーターが下がり切るのが遅い)。この曲では音数が少ないので影響は少ないが、よく聞いてみるとフレーズ終わりのアクセントが潰れていたりする。ソロなどで速いフレーズをアーティキュレーションをはっきりつけて演奏した場合は強い圧縮がかかりっぱなしになってアタックが出ないだろう。なお、今回はマウスピースにガーデラを使っているためサックスの立ち上がりが早めだが、ジャズ向けのセッティングでは圧縮が適度に追いつく可能性が高い。

FETタイプ

次に、アタックタイム、リリースタイム共に速いという特徴を持つFETタイプを試してみた。少し音が細くなるが、削られすぎることはなく、むしろ他の楽器と被る周波数が削られるような印象で中々いいと思う。パンチが出るけど音が柔らかくなるのが不思議。

パラメータ設定については、タンギングの立ち上がりは残したいのでアタックは目一杯遅くした。リリースは早くしすぎると不自然になり、遅いと管の鳴りが削られて電子音みたいになってしまうのでちょうど良いところを探った。圧縮率は一番弱い4分の1。Optタイプと比べるとメーターの針が戻るのが早いことが分かる。なので、早いフレーズにも安心して使えそう。

なお、Logic等のDAWソフトに付属しているコンプレッサーにも各タイプがあるので同様に試していただけたらと。

まとめ

ファンク系の曲のサックスにはFETタイプのコンプレッサーの相性がよく、タンギングの立ち上がりと管の鳴りを残すのがポイントだと思う。


※バッキングトラックは下記を使用しました。

https://www.youtube.com/watch?v=0-xu36o06Yw


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