デザイナーこそ、マーケターのように生きろ
Money Forward Design Advent Calendar 2024の6日目の記事です🎄
こんにちは!マネーフォワードのtoB領域でブランド、マーケティング関連のデザイナーをしています、sotaです。
アドベントカレンダーらしからぬ、ちょっと刺激的なタイトルをつけてみました。これは自分にとって影響を与えてくれた書籍「マーケターのように生きろ」のタイトルを、リスペクトを込めてアレンジしています。
この本を読み終えた時、ずっと心の片隅にあって目を背けていた、もやが晴れたような気持ちになりました。そして「これからもデザイナーとしてやっていけるぞ」という気持ちを強く持つことができたので、ぜひ紹介させてください(似たような方に届くと嬉しい)。
「強み」が見つからないデザイナーでした
みなさん「デザイナーとしての強みはなんですか?」と直球で聞かれたら、どう答えるでしょうか。正直、自分はこの手の質問がとても苦手でした。
デザイナーになってもうすぐ10年になるのですが、特定の分野に偏ることなく、Web、UI、グラフィック、ディレクション、企画提案まで一通り経験し、その過程で制作のスキルも身につけてきました。
その経験値を積んできたことは多少誇れるかもしれませんが、わかりやすく可視化され、人に明快に伝わるような「強み」はどうしても見つかりませんでした。
わかりやすい強み。デザイナーの場合「イラストが抜群に上手い」であったり「あらゆるUI設計に精通している」といったところでしょうか。
デザイナーが担う領域が広がり、他職種との境界線が曖昧になってきている今、同じような「もや」を抱えている人も少なくないのではと思います。割と器用に色々できるけど、突出した武器がない・・・みたいな状態です。
何かを形にしていくデザイナーである手前、自分の強みをわかりやすく伝えられない、というギャップを抱えるのはちょっと辛いですよね。
「マーケターのように生きる」とは
先ほど紹介した書籍では「マーケターのような生き方」(働き方)をこう表現しています。
書籍の内容に軽く触れると、「自分に特別な才能がない」と語っている筆者が、マーケターの基本姿勢である「相手がしてほしいこと」に答えていくことにシフトすることで、仕事の幅が広がり、ひいては生き方まで良い方向に変わっていったというストーリーになっています。
また、世の中の「マーケターのように生きる」を実践している例として、西野カナさんをはじめとするアーティストや、様々な企業活動にフォーカスを当て、特別でなくとも第一線で活躍していけることを強調しています。
主張は一貫してシンプルなのですが、初めて読んだ時「まさに自分のことだ!」と気持ちがシンクロしたのをとても覚えています。
自分の「日々の行動」を思い返してみる
「相手がしてほしいこと」に答えていくこと。これなら自分でもたくさん思い当たる節がありました。実際に「マーケターのように生きる」にマッチした、普段からしている行動をリストアップしてみました。
Slackでの連絡を相手が短時間で読み取れる形に整えて送る
ミーティングでの議題について意見やアイデアを仕込んでから臨む
依頼者や状況にフィットするように意図的にデザインのスピード・質のバランスを使い分ける
誰かに相談されたら「いま暇ですよ、何か手伝いますか?」と常にオープンな姿勢をとる(※実際は暇ではない)
ノータイムでどんどん出てきます。内省してみると、普段のコミュニケーションやデザイン制作の中で、一緒に働く身近なメンバーが「して欲しそうなこと」によくアンテナを張り、行動することは人一倍やってきたことに気がつきました。
積み上げた信頼は「強み」になる
振り返れば2年ほど前、マネーフォワードに入社したての頃は、作るべきものが明確に見えている制作の依頼をいただくことがほとんどでした。「デザイナーの自分」に何を依頼して、どう関わるべきか、依頼してくれた方々を迷わせてしまっていたかも知れません。
それが今となっては、アイデア出しや抽象的なお悩みの壁打ち、施策の上流の議論といったように、いろんな場面で声をかけていただき、デザイナーとして活躍できる場が広がっていった感覚があります。特別なことをしたり、誰かに言われたからという訳ではなく、あくまで自然にです。
これは「マーケターのように生きる」行動をあらゆる場面で発揮いく中で「信頼」を積み上げたゆえの成果、と言うことができそうです。こう考えていくと、自分の強みはここにあったんだ、ととても腑に落ちました。
また、この変化の中で必然的に取り組む仕事の難易度が上がり、セールスやマーケティングなどのビジネス観点も以前より取り込んでデザインの制作を進められるようになりました。気がつけばデザインをつくること自体にも良い影響が生まれ、よきサイクルができあがりました。「マーケターのように生きる」こと、恐るべし。
武器を手にした次は、どう使うかを考える
「マーケターのような生き方」をするとき、相手にして欲しいこと、その「相手」をどこに置くか。また、自分がどこで動くべきかの「場所・範囲」は都度見直していくことが重要になりそうです。
身近な人に少しずつ応えられるようになったら、次はチームや部署、組織全体にも目を向けていく、もちろん届ける先のユーザーの解像度も日々アップデートしながら自分が応えられる領域をじわじわ拡大させていく・・・といったようなイメージです。このあたりはチャレンジしている道半ばなので、引き続き磨いていきます。
さいごに
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。似たような境遇の方や、デザイナーとしてのあり方・キャリアに悩まれている方に、少しでも響くところがあれば嬉しいです。
「デザイナーですがマーケターのように生きている、それが自分の強みです」と胸を張り、これからもデザイナーとして歩んでいこうと思います。
余談
紹介した書籍「マーケターのように生きろ」の表紙、ビジネス書にしてはだいぶ奇抜なイラストを使っていると思いませんか?(正直、書店で買う時なかなかに恥ずかしい思いをしました。)
おそらく書店で極端に目立たせ、本来届けるのが難しい相手にも手に取ってもらう、そんな意思を持っての選定なのかな、と思います。
ただ、すごいのはここからなんです。なんとこの表紙、カバーを外すと、なんともシンプルで素敵なカバーがもう1枚出てきます(あえて写真は入れないでおくので、気になった方はぜひ書店で見てみてくださいね)。
この工夫のおかげで、日常的に持ち歩いて読みやすくなりました。筆者が相手のことを考え抜いてコミットしていく姿勢に、ただただ脱帽でした。
アドベントカレンダー、まだまだ続きます
さて、明日のアドベントカレンダーは、我らがコムデの大先輩、osamuさんです。お楽しみに!
もうすぐ年末ですね、みなさん良いお年を!