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sosoの素(76)

海外旅行回想記8

アムステルダムで数日過ごした後、電車に乗ってベルギーへ。首都のブリュッセルにはあまり惹かれるところがなくフランダースの犬で有名なアントワープを拠点にすることに。
アムステルダムでは地球の歩き方に載ってるバックパッカー御用達の宿に泊まったけど、アントワープではインフォメーションに飛び込みで行って宿を探してみることに。バックパッカーぽくてテンションが上がる。大部屋に不都合はないけどやっぱり一人部屋の方が静かで自分のペースでゆっくりできるから安いところを探してもらう。
ベルギーだからか、英語がとても聞き取りにくい。フランス語と英語が半々くらいと書いてたけどそれもあるのかもしれないけど、これまで聞き取りやすい英語にしか触れてなかったことを知る。
聞き取りにくい英語を聞きながらシングルだと高い所しか出てこない。何度も何度も高いを伝えてやっと手が出せる値段のところが出て来た。
地図と紹介状のようなものを受け取り、ホテルに行くと立派な受付でチェックインをしてそこから歩いて別の建物へ。
さすが本場ヨーロッパというような古い洋館の一室に案内された。
日本のビジネスホテルのような広さだけどテレビも何もない殺風景な部屋で、トイレとシャワーは共同。一人でゆっくりできると思うと嬉しかった。

アントワープでは国立美術館でルーベンズの作品群や現代美術館はもちろん、名物のたっぷりのマヨネーズがついたフライドポテトのカロリーの塊を食べたり、フランダースの犬でネロとパトラッシュが最後にみたいと入った教会がホテルから近く、ルーベンズの絵もさることながらその周りのステンドグラスから注ぐ光が床に綺麗な色に注ぎ込んだ教会の綺麗さにびっくりした。

1日楽しく過ごしてホテルに帰る。
チェックインの時には気づかなかったけど、どうもこのホテルにいるのは僕一人。フロントは別の建物のホテルでこの建物はドアを開けるとすぐに階段であとは全て客室とトイレとシャワールーム。部屋に居て、テレビもステレオもなく静かな部屋で一人本を読んでると全く物音がしない。大部屋じゃなく一人でゆっくりしたいとは思っていたけど、建物に誰一人居ないとなると急に怖くなってくるから不思議。少しの物音がすると誰かに襲われるんじゃないかとビクビクする。人が多いと静かにゆっくりしたいと思う癖に建物に誰一人いないとなると寂しく怖くなるなんて、なんて勝手なやつだと思いながらせっかく一人なんだしそれを楽しもうと、トイレに行く時に施錠をしなかったりシャワールームへ裸でいったりと小学生男子のような想像力で楽しかった。

話は変わって、現代美術館でのこと。とても面白い展示があって、時間もたっぷりあるから一人ゆっくり観ていた。あーここのこれがあるからこんなことを思うんだとか、こんな考えからこれが作られてるんだろうと作品の解釈をしていた。
美術館には作品タイトルや挨拶文、他にも作品の解釈に役立つものが展示の中にあったりするんだけど、全て英語なので全くわからない。それでも作家の名前がスーチャンキノシタと言う名前で日系人なんじゃないかと思い、会話ができるかどうかわからないけど思い切って美術館のスタッフに質問をしてみた。
すると彼女は日本で住んでいたことや作品の意図など全て英語のはずなのにスーーと頭に入ってくるではないか。僕の拙い英語も相手に伝わり、その返答もまたまた日本語で話してるように理解できる。誰かとこんなにコミニュケーションを取ったの久しぶりと思いながら、言葉ってなんなんだろうと不思議な経験から言葉に対しての考え方も少し変わっていった。


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