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誰かがゲームを作ってる。「Toddler Shooter」

ゲーム配信をしているとチャット欄に作者が来てくれることがたまにある。自分が遊ぶゲームは遊んでいる人があまりいないのも多いから、発見すると嬉しく思ってくれるんだろう。「Toddler Shooter」で遊んでいた時も作者が来てくれたけどいつもの感じとはちょっと違った。

オランダ在住の16歳の少年が作ったゲーム

(チャットに作者が降臨した瞬間。驚きつつも軽く慣れてきてる視聴者)


ゲームを見つけた時に「教室が舞台だしこの身内に向けてるみたいなノリ学生っぽいな…」と思ったら本当に学生だった。オランダ在住16歳の男の子。トリミングがとてつもく雑な写真は学校の先生の写真で、サングラスをかけたりしてるのは顔出しNGだからだとかローカルな制作秘話を披露してくれた作者のヨシュア。将来はゲームクリエイターになって自分の会社を作るのが夢…と英語と翻訳に入れたであろうたどたどしい日本語を交えてうれしそうに話してくれる彼にチャット欄はもう全員おばちゃん状態でメロメロに。こっちの事も日本語で「せんせい」とか呼んでくれる。か、かわいい。

ゲーム自体はとてつもなくふざけた見た目のシューティングだけど中身はかなり難しい。それでもステージ毎攻撃パターンにダイナミックなバリエーションを持たせてあり彼がプレイヤーを楽しませようと色々苦心してくれたのがわかる。個人開発のインディーゲームは粗削りだからこそ削った跡に作者の思考の経緯が表れる。磨かれていないからこそ見えるものがありそれは彼がこれからどんどん成長するんだろうな…という将来まで想像させてくれる。そういうものに触れているととても楽しい。ゲームに残っている体温を感じることでその先にいる作った誰かの存在にあらためて思いを巡らせる。

自分の為だけにゲームをアップデートしてもらうという体験

進めていくととてつもなく難しい所があり行き詰まった。ラスボスを倒す手前の攻撃パターンの所で左右をとぶ飛行機が繰り出すDestroyという英字があまりに速すぎて30回に1回くらいしか先に行けない。行ける時もたまたまアイテムの出現に恵まれただけで偶然以上の攻略を立てられない。落ち着いて考えようとすると死ぬし勢いでいけるほど敵も柔らかくない。完全に自分の腕前では無理だった。

ヨシュアはクリアのご褒美に良い写真を仕込んでるらしくそれがどうしても見たくて、それにクリアーした所をヨシュアにも見て欲しくて6時間以上頑張ったけど結局クリアできなかった。遠い日本の地でたくさんの人の目の前で自分のゲームがクリアーされる所を見たらひょっとしてその体験を糧にして彼が本当に凄いゲームクリエイターになるかも…とか思っていたけど叶わなかった。手がぼろぼろになった。何もあげれなかった。情けなくて悔しい。

その二日後、ヨシュアからツイッターで話しかけられた。

俺の為にゲームの難易度変えてくれちゃったの!?「Toddler Shooter」はSteamで配信してるゲームだからその難易度が販売され分にもすべて反映される。なんてことなの。世界で販売してるゲームなのに対面販売みたいにマンツーマンの関係が影響を与えた。これはインディーゲームを遊ぶだけじゃなく配信してないと起こりえなかったことだ。配信することでゲームとの関係が深く、立体的になっていく。この事にいつも戸惑うし興奮する。もうここまでしてもらったら絶対にクリアーするしかない。

たしかに難易度は下がっていた。飛行機から繰り出されるDestroyという英字の速度はゆっくりになり目で追って避けられるようになった(その攻撃一体なんなの?という疑問は残ってるけど)。最後の泣いた赤ちゃんの顔で造られた銃から放たれる泣いた赤ちゃんの顔攻撃も苛烈だがパターンを読めばぎりぎりいける。数日前にとてつもない攻撃を何時間も浴びていた効果なのか、この日はするすると手も動きアイテムにも恵まれ学校から見てるヨシュアとその友達からもチャットで応援される中、クリアー。彼が難易度調整してくれたおかげで一時間ちょっとでクリアーできた。

自分はこのゲームのふざけたビジュアルが気になった。ヨシュアもきっとふざけながらこのゲームを作ったんだろう。それでも20歳年の違う、住んでいる国も違う二人がふざけ方の気が合ってゲームを通して出会い、最後には得難い絆のようなものまでうまれた。彼の次回作を心待ちにしているしもし彼がゲームを作ることをやめてしまったとしてもその将来が幸せであることを願う。また忘れられない配信になった(エンディングで見れる良い写真はぜひ自分でクリアーするか配信のアーカイブで見て欲しい。良いから)。


生ゲーム会のこと

最後にちょっとイベントの話をします。2月17日に新宿ロフトプラスワンで色んな海外インディーゲームを紹介するイベントをやります。自分はずっと、いまの仕事自体は好きだけどその周辺にあるものに馴染めなくて居心地の悪い思いをしていた時期が何年もあったけど、海外のインディーゲームを遊ぶようになってそれがすごく楽になりました。


おもしろいものや信じられないくらい美しいものや疑問しか湧かない不思議なもの、稚拙だけどエネルギーに満ちたものとかふざけ過ぎてるものとか、とにかく遊んだゲームすべてに感動したしたくさん笑った。自分が海外インディーゲームを見て救われたのは、世界にはたくさんの人がいて各々本当に好きな事をやっているという事から醸し出される「幅」を見れたからだと思います。いまはベストの選択をできてなくても幅という可能性が現実の中にはちゃんと存在していて、自分もいつかそういうものに出会える気が心からした。何とも交わってないかのように勝手に作りたいものを作っている作者達にシンパシーを感じたし配信で生まれた交流からは力をもらいました。

そんなことをちょっとでも感じてくれたら嬉しいし、楽しくするのでイベントきて単純に笑ったり感心したり驚いたりしてくれたら嬉しいです。半信半疑でもきっと楽しめるゲームを色々用意して待ってます。グッズも作ったから良かったら見ていって。

最後まで読んでくれてありがとう。ゲームは本当に最高です。会えたらイベントで会いましょう。



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コメント1件

こんな繋がり方があるなんて・・・新年早々ほっこりしました。
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