見出し画像

ジャッキーチェンも李小龍も日本人でしょ?<夫婦世界一周紀70日目>

今までになかった価値観に触れるには、空白地帯に足を踏み入れるしかない。そのことを如実に思い知らされた日だった。

昨日の入国押し問答と、ラウンジを無料で出入りできるプライオリティパスを紛失したショックとで、二人が起きたころにはもう午後2時を回っていた。

ひどく寒い。モロッコってアフリカでしょ?なんでこんなに寒いんだろう。毛布にくるまって調べてみると、モロッコはもう冬に差し掛かっているとのこと。日中こそ30度近くになるが、夜中は一桁まで冷え込むらしい。一番暑い思いをすると思っていた国が、世界一周中で一番寒い国だとは…先入観は恐ろしい。

ずるずると宿から這い出ると、日本の2倍はあろうかという太陽が赤茶色の建物をびかびかと照らしていた。昨夜はよく見えなかったが、このあたりは高級住宅地らしい。それでも石造りの階段は左右で長さが違ったり、段差ごとの高さがバラバラだったりした。ディティールに国民性は出るのだ。

まだまだモロッコの全容が掴めないので、2キロ先のスーパーまで歩いて行ってみることにした。一説によるとマラケシュの子供はサソリ釣りを嗜むらしい。穴の中に木の棒を突っ込むとサソリが木の棒を挟むんだそう。そのサソリは、そう、猛毒だ。子供の頃にやったザリガニ釣りとは訳が違う。

ここから先は

558字 / 2画像
外に出ることが出来ない今、旅をできること自体に価値が生まれつつあります。僕たちが見てまわった世界はもうないかもしれないけれど、僕らが家にいる時にも世界は存在していて、今日もトゥヴァだってニウエだってある。いつか全てが終わった時に、あそこに行きたいと思ってくれる人が一人でも増えたらいいなと思って、価格を改訂しました。 無料で公開したかったのですが有料マガジンを変更することが出来なかったので、最安値の100円に設定しています。

2018年8月19日から12月9日までの114日間。 5大陸11カ国を巡る夫婦世界一周旅行。 その日、何を思っていたかを一年後に毎日連載し…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?