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恋と魔法少女と異星人の触手

「望月さん、貴女が好きです!付き合って下さい!」

 俺の名前は佐々木聡。人に言えない秘密を抱えているが平凡な男子高校生だ。程々に顔が良くわりとモテる俺だけど、生まれて初めて真剣に告白をしている。相手はミステリアス美少女転校生の望月さん、所謂一目惚れだ。
 望月さんは少し驚いたようだが、すぐ凛とした表情に戻る。可愛い。

「すまない、君の想いには応えられそうにない。実は…私は宇宙人なんだ。」

 ずるりと粘着質な音を立ててグロテスクな臙脂色をした触手らしき肉塊が望月さんの背中から溢れ出てくる。
 無論俺は卒倒した。


 気付くと保健室で寝ていた。夢じゃなかったらしい。
 この震えと動悸は恐怖のせいではないとして、俺はまだ望月さんが好きだ。しかし明日どんな顔をして会えば良いのだろう…そんな考えを遮るように頭の中に声が響いた。

『怪人が出たニャ!助けてマジカル☆シャイニー…』

 うるせぇ黙れ。俺の秘密、それは俺が魔法少女という事だ。



【続く】

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