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写真管理のすゝめ

先日社内でLightroom現像講座を開催したところ、現像以外にLightroomを利用した写真の管理方法についても需要がありそうだったのでnoteの方にざっくりまとめてみる。
あくまでオレオレなので参考程度に見てもらえれば幸い。

基本的にはLightroom Classicでどう写真を管理するかという話になる。
クラウド前提のLightroomの方も使ってはいるが、そちらは今回割愛させていただく(あんまり書くことがない)。

あと、細かい操作方法については解説していくと非常に長くなってしまうので省いている。各自ググっていただきたい。

まずはNASについて

個人的に、写真ファイルはできればすべてMac内で完結させたいのだが、RAWで撮影しているのとSSDの容量が512GBしかないので、写真を撮り続けていればいずれストレージが満杯になってしまう。
というわけで外部ストレージの出番だが、私の場合は一般的な外付けHDDではなくNASを活用している。

NASについての細かい説明は省くが、ようはスマホ相当の処理能力とネットワーク接続機能が付属した外付けストレージだと思ってもらえばいい。

容量の問題だけならNASにする必要もないのだが、Macに直接接続しなくてよいので設置場所の制限が少ない、Macと独立した処理能力があるのでMacの処理リソースを食わなくてすむ、設定さえきちんとすればパーソナルクラウドとしても汎用的に利用できる、という点からNASを選択している。

NAS側の環境構築

NASと一口に言ってもいろいろあるが、私はSynologyのDiskStationを利用している。DiskStationのOSであるDSM(DiskStation Manager)のUIが現代的で、ブラウザから手軽にアクセスできる点が良さげだと感じたのでこちらにした。

下のスクショを見てもらえば分かるが、デスクトップライクなUIなので非常にとっつきやすい。

先ほどブラウザからアクセスするという風に言ったが、設定さえすれば普通のネットワークドライブとして扱うこともできるので、MacのFinderやWindowsのExplorerからもファイルにアクセスすることができる。

今回の内容とは直接関係ないが、Macの場合はTime Machineの保存先としても設定できるので、無線LAN越しに自動バックアップが可能だ。物理接続しなくてよいのでMacBookのバックアップがストレスフリーになる。地味に嬉しい。

ネットワークドライブとして扱えるということは、Lightroom Classicのファイルブラウザからも普通にアクセスできる、ということだ。
なのでMac本体にはお気に入りの写真を残して、NASの方には捨てるには惜しいが見返す機会はそんなになさそうな写真をどんどん移動させていく。
これでMac側のストレージを節約しつつ写真をどんどん突っ込めるようになった。

NAS側のバックアップ

容量の問題は解決した、がこのままだとNASがクラッシュした場合が少し怖い。思い入れの薄い写真とはいえ消えてしまうのは困りもの。

というわけでNASの冗長化のためにクラウドサービスを活用する。
私の場合Amazon Primeに加入しているので、Amazon Photosが容量無制限で利用可能だ。この無制限は画像ファイルのみに適用されるが、RAWファイルも画像ファイル扱いされるので問題なくアップロードできる。

DiskStationにはCloud Syncという各種クラウドサービスと連携できる便利なアプリがあるので、これを活用してDiskStationに突っ込んだRAWファイルを適宜Amazon Photosに自動アップロードさせる。
Lightroom Classic上で写真ファイルをポイっと移動させれば勝手にアップロードしてくれるので非常に楽だ。

これでNAS側のバックアップ環境が整った。DiskStationとAmazonのクラウドサーバーが同時に復旧不可能な状態にならない限り写真を復元できる。

Mac側のバックアップ

こちらはシンプルにDropboxを活用する。
そもそもNASを導入したのは、Mac側に保存する写真を最小にしてDropboxの無料枠内に収めるのが目的だった、のだが他のファイル共々収まらなくなったので普通に課金している。

こちらもAmazon Photosでバックアップすれば良かったのだが、Amazon Driveのデスクトップアプリが微妙なのと挙動が不安定だったのとで諦めている。

何はともかくこれでMac側の写真もMac本体、Dropbox、ついでにTime Machine経由でDiskStation内の3箇所に保存されるようになった。全部が同時に吹っ飛ばない限り安全である。

ちなみに、写真を全部DiskStation側に置くというのも一つの手だが、その場合は通信速度がボトルネックになって写真の読み込みが遅くなってしまう。
なので現段階では一旦断念。

複数台の端末で利用する場合

せっかくクラウドを活用しているので、複数台の端末で管理する場合もさらっと紹介しておく。

Mac側に保存している写真はDropbox経由で同期できるのでそれで良し。
DiskStation側は、QuickConnectという機能でQuickConnect IDを設定しておくと、インターネット越しにNASにアクセスすることができる。その際、Photo StationというアプリをDiskStationをインストールしておくと写真へのアクセスがしやすくなるのでおすすめだ。

ちなみにDiskStation関連のアプリはスマホ版も用意されているものが多いので、Mac・PC以外との連携も非常にしやすくなっている。
(ただし4G環境下でPhoto Station経由でRAWをダウンロードしたりするとギガ死しかねないのでその辺は注意)

Lightroom Classic側の設定

さて、これらの運用をする上でLightroom Classicの設定を一部変更しておくとよりスムーズになる。

Lightroom Classicはデフォルトだと写真の編集情報をカタログ(.lrcatファイル)の方に保存している。これだと別端末(別カタログ)から編集内容が見えないので、
[カタログ設定] → [メタデータ] → [変更点を XMP に自動的に書き込む] のチェックを入れて編集内容が外部ファイルとして出力されるようにしておく。

こうしておくと、別端末のLightroom Classicでフォルダを読み込んだ際にちゃんと編集内容が適用されるようになる。
すでに読み込んでいる写真の場合は自動で反映されないので、Lightroom Classicのファイルブラウザ上のフォルダを右クリックして [フォルダーを同期] で手動で更新しよう。

ちなみにLightroom Classicのカタログファイルをクラウド経由で共有するのはおすすめしない。一回やってみたところカタログがぶっ壊れて泣いた。

Lightroom Classicの設計上、複数端末で運用する想定がされていないのでこのような面倒なことをしないといけないのだが、元々のPhotoshop Lightroomがクラウド時代以前に開発されたものなのでしょうがない。その辺が煩わしい人は素直にLightroomの方を利用しよう。最近はClassic側と遜色ない編集能力が備わってきているので十分実用に耐えられる。

ここまで長々と書いてきたのは、
- 写真を全てクラウド上で管理するのはなんか気持ち悪い
- Adobeのサーバーがクラッシュしたらどないすんねん
- ストレージに課金し続けるのがつらみ
といった人向けだ。もちろん私の管理方法も最善ではないと思うので、個々人で自分に合うやり方を見つけてほしい。

ではでは。

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