そらQラジオ0204

そらQラジオ【text】第12回(2020年2月4日):ローカルキャリアの実践者 その2

そらQラジオ【text】では、ラジオの内容を整理してお届けします。第12回は宇野由里絵さん後編。島根県雲南市で雲南ソーシャルチャレンジバレー【企業チャレンジ】事務局CAREER FOR Local Careerで働き、ローカルキャリアを実践中の宇野由里絵さんに、雲南市での活動を伺います。(田:田鹿 宇:宇野さん)

要点メモ
・地域の課題はセクター横断が大半であり、そこで新しい事業を作っていきたい
・雲南市が選ばれる理由はスピード感と受け入れ力
・地域では手触り感のある仕事ができる

雲南市:チャレンジの連鎖による持続可能なまちづくり

田:雲南市での今の仕事について教えてもらえますか?
宇:雲南市は「チャレンジが連鎖することによって持続可能なまちづくりをしていこう」と地方創生を掲げているんですが、新しく「起業チャレンジ」を去年の4月から始めました。今までは年代毎にチャレンジが生まれていましたが、社会課題を解決するためには、その世代が頑張るだけでなくリソースを持っている都市部の企業をつないでチャレンジを促進していくことが必要だろうということで始まりました。その事務局をやっています。

地域課題に対して、セクター横断で新しい事業を生み出したい

田:経緯は何だったんですか?
宇:もともと島根県で働いていた時も、島根県の教育委員会、雲南市の中間支援NPOおっちラボ、地域魅力化プラットフォームの3つに所属をしながら働いていて、それぞれで事業を回したり事務的なサポート業務を行っていたりしてました。それぞれに関わる中でセクター横断で何か新しい事業を作っていくというところに関われるといいなと思っていました。教育の文脈なら教育の人しかその場に出てこなかったり、地方創生の文脈だと役場の中でも地方創生の文脈の人しか出てこないみたいなことが起こるんですが、横断しながら新しいものを作っていく場に参画できるといいなという思いが出てきたからです。

雲南市が選ばれる理由はスピード感と受け入れ力

田: そうそうたる企業から雲南市が実証実験の場として選ばれるのは、何か秘訣があるんですか?
宇:行政内の意思決定の早さなど、地域との連携におけるスピード感です。行政はやると決めるまでに時間がかかるんですが、雲南市の場合はそこがスピード感をもって早いタイミングでできることです。
田:役所は失敗を恐れるような組織ですし、地域としても何かわからないことをうちでやるとなると拒否反応が生まれそうですが、雲南市はそれがあまりないんですかね?
宇:そうですね。地域の方からも話してた時に何でやるのかみたいな話よりも、どうやったらやれるのかという話になりやすいというのは雲南の特性としてありますね。

地域では手触り感のある仕事ができる

田:キャリアは名古屋でスタートし、東京へ行って島根に行くと。よく都落ちという言葉があるじゃないですか。でも、宇野さんの場合は常に自分がやりたい事を求めて行った先がたまたま地方だったと。これまさにローカルキャリアですよね。ローカルキャリア白書という書籍を出版されていますが、そちらはどのようなものなんですか?
宇:ローカルで活き活きと生きている人達は決して都落ちと感じていないし、いつかタイミングが来て東京で何か新しいことを始めようと思った時に戻れる、何となくよくわからないけど自信はあると。それをローカルキャリアという言葉にして表しつつ、そこを紐解いていけるようなことができればローカルに今まで踏み込めなかったけど、一歩踏み出してみようという人達の背中を押せるんじゃないかということで、ローカルでキャリアを積むとかローカルで働くとはどういうことかというのをまとめてみた本がローカルキャリア白書になります。事例集とアンケートをまとめたものを載せています。東京と地域で働くみなさんにアンケートを取り、都市と地域の働きやすさや働きがいに違いはあるのか、ということを明らかにするためのアンケートを取りました。
田:東京と地方ではどういう差がありましたか?
宇: 正直働きがいや働きやすさに差がないという事が分かりました。突出して結果が出ていたのは、自分がやっていることが社会に対して関わりを持っているとか社会に対して影響力を持っていると感じる人は地域の方が高かったことです。地域で働くことのメリットの一つは、手触り感のある仕事ができる事ではないかと思います。
田:例えばローカルキャリアを実践している人の声として何か特徴的なものはありますか?
宇:誰も安定のために働いていないという事がなかなか面白くてですね、自分の生活の安定のためだったりとか、よくライスワークって言いますけど、そういう働き方ではなくて自分がやりたいことやこういう風に社会に貢献したいとかを目的に働いてる人が多いという事がインタビューから見えて、私は面白かったなと思いますね。
田: まさに宇野さんがやってることですよね。
宇:何のために働くのかということを地域の方がより突きつけられる所があると思うので、より自分の中で自分の人生をどうやって生きていくのかということを考えながら働いている人が多いという感覚ですね。

【ローカルキャリア白書】
https://careerfor.stores.jp/items/5cd57ab50b92116cfa0bb428

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