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「御都合主義による本買い」

出会いは突然で、手に取れるは必然、我が心に響くは当然の導き。嗚呼本が読みたい。心置きなく広げたい。君はまあまあ頑張ったよ、これで本屋で出会えたとして、それはもう運命だよ、買えばいいよ。

そんな会議屁理屈が自分集合体の内々で行われたらしく、気が付くと本屋へまんまと流れ着き、気が付くと読みたかった本に出会えていた。しかと手の内へ握り締めてレジへ向かった。


遡る事・・・まあ、忘れてしまったけれど、こんな風に出会った訳である。

先ず「高慢と偏見」を、もわりーさんのこちらの記事で知って興味を抱いた。いつか読んでみたいと思いカートに入れている上下巻。本屋には在庫なく、今回は買えなかった。


続いて「熊」。タイトルから興味津々で、ToTo様の感想文を読んで、これは今自分が読むべき本ではなかろうかと思ったのだが、本屋にもアマゾンにも無い。お預けを喰らっている処である。


それから「幕末」をKnit優香様のこちらの記事で教わった。司馬遼太郎は「梟の城」と「関ケ原」が好きだが、「幕末」はまだ知らない作品だった。司馬先生から学ぶことは多い、是非とも読みたいものである。


そうして、垂直居士様からnoteやらTwitterやらで中島敦を幾つか教えて頂いた。中島敦は手元に在った。一度読んだはずだが、これを機会にもう一度読もうと心積もりした作品ができた。加えてTwitterで御紹介なされていた「漱石先生がやって来た」半藤一利へ、手を伸ばさずにいられない。

これが、今回本屋に在った。一冊だけ。自分の為に、一冊だけ残して在った。と解釈して、そうであるならば、買わない訳にいかない。だって自分のためにわざわざ死守しておいてくれたんだもの。

他にも、「読みたい」が在ったのだが、在庫が無かった。天の采配。それから自分は、短編小説「文豪パフェ」

に登場させたのだから「雪国」川端康成を読みたいと思っていた。未読だったのかと驚かれた方もいらっしゃる事だろう。わが家にあるちくま日本文学の川端康成には収録されてなかったのだもの。案外こう云う事はあるもので、それでもその時その時の自分が読む本とは、出会うべくして、出会うべき時期に巡り合うのだろうと、自分は大体そう思う。と云う訳で、読みたいと思っていた事はちょっと忘れていたのに、書店の本棚に「雪国」があった。一冊だけ。こちらへ背表紙飛び込んで来た。お、と思い、今かなと手に取った。これから冬になるから丁度いいやと思っている。何だか嬉しい出会いであった。

こうして今回は、二冊を、しれっと買った。もう買ってしまった。

久し振りに本屋へ行き、その上読みたい本が見つかった。嬉しいのである。満足しているのである。或る意味本懐を遂げた訳であるタイトルの本買いとかけたのである。手元の中島敦と計三冊を、順番に読もうと思う。ゆっくりだろうけど、読もう。

本屋の醍醐味は、新たなる出会い求めて書架の間を彷徨う事にもあるだろう。だがしかし、今回それはやってはいけない。そう思い定めてお忍びのように尋ねた大きな本屋。次こそは成果を上げて堂々と歩きたいものである。


最後になりましたが、今回事前に伺いも立てず勝手に記事やトップページを貼り付けてしまいました皆様には、大変申し訳ございません。平に御容赦下さいませ。また今後ともどうぞよろしくお願い致します。

                           いち

お読み頂きありがとうございます。「あなたに届け物語」お楽しみ頂けたなら幸いにございます。