マガジンのカバー画像

箸休め

136
連載小説の息抜きに、気ままに文を書き下ろしています。文体もテーマも自由な随筆、エッセイの集まりです。あなた好みが見つかれば嬉しく思います。
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

「太宰治を尊敬した日」

 十代の頃、初めて太宰治に出会いました。「走れメロス」や「人間失格」を外からの学びで教わった私は、「暗い!こんな暗い所へ引きずり込まないでくれよ」と粋がって、走って逃げました。  そのまま二十代になりました。逃げたはずであるのに、依然として太宰作品は目の前に在りました。今度は私は、凝とそちらを見たまま、一歩ずつ、後ろへにじり下がりました。そうやって下がりながら対峙していたら、或る日こつんと後ろへ当たるものがあって、振り返った私の手に、巡り巡って行き当たった太宰治が在ったので

「子育て中のあなたを全力応援」

 今晩は。今宵も荘厳な夕闇が広がっています。月は見えるかな。  突然ですが私は子育て中の全てのお父さんお母さんを全力で応援しています。手が届けられるわけではありませんが、それはもう全力で支えて参りたい所存です。  私は小学二年生の頃から子守りをしてきました。当時両親が共働きでしたので、小学生と保育園児の兄姉が寄って集って生まれたばかりの弟のお世話を仰せつかっていたのです。  当時わが家は布おむつでした。畳み方、替え方、全て母に教わって誰でも出来るようになりました。母が居

「執筆風景」ー脱線もする。

 大体この前へ座り込んで書いている。畳。ご推察の通り、正座。  WORDで執筆が多いけれど、noteで直接書くことも増えた。手紙は縦書きが基本。そして勿論直筆。もっと字が上手ければ良いのだけれど、中々どうして、難しい。母方の祖父は習字の先生もされていたそうで、他人行儀なのは私が写真でしか会ったことの無い祖父だからだけれど、「私に綺麗な文字を書く才能を分けて下さい」とお願いしたい。才能じゃない努力だ!なんてお叱りを受けるかもしれない。そんなありふれた事はとても仰られそうにない