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箸休め

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連載小説の息抜きに、気ままに文を書き下ろしています。文体もテーマも自由な随筆、エッセイの集まりです。あなた好みが見つかれば嬉しく思います。
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2020年9月の記事一覧

映画の「間」に在るもの

 今晩は。日が短くなりました。わが家も只今は鈴虫の声に包まれています。すっかり秋色の気配が漂います。  私は此処で好きな映画についてお話するのを楽しみにしています。しかし今晩は一本に絞ってじっくり語る前に、映画の趣についてお話したいと思います。  映画館へ通い詰める、という程ではありませんけれど、私は映画を観るのも好きです。子どもの頃はテレビ放送で映画を見ることの方が断然多く、洋画とアニメが殆どでした。大人になるにつれて、自分の好みというものが段々判然して来ます。私は日本

「広辞苑」を片手に執筆をする話

 私が今連載している「広とはる」は、別の箸休めでもお話しましたが二〇一八年に書いた作品の修正版です。そして今年は前半の内に一本新しい小説を書きました。これは次回作として此処noteで連載するつもりです。  そして今は、また別の作品を執筆中です。書いても書いても、と言うほど勢いに乗るのは中々稀で難しいのですが、書くことが楽しくて、書く時間の与えられることが幸せです。  そんな私が小説を書くのに使用するのは、云わずと知れた「Word」であります。紙のノートへ思い付いたことはど

本を選ぶときは

 新しい本との出合いを求めて本屋を訪れるときは、無性にわくわくします。何か目的が在って訪ねるのとは違う、宝探しのような気持ちです。  私は新聞投稿の謝礼やトイレットペーパーのポイントを集めて交換した図書カードがある程度溜まったら、本屋へ行って新品の本を買っても良いことにしています。極上の時間の始まりです。  電車に揺られ、大きな本屋へ足を運び、棚一面の本を目の前にすると、胸の高鳴りが外へも聞こえてしまうように思います。顔は無暗に笑っています。さて今日はどんな本に巡り合える