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nonsenseは世界の肌触り

これは、谷川俊太郎さんのインタビューのなかで、哲学者の鶴見俊輔さんが言ったとして紹介されたことばだ。

無意味なことも、意味あることと同じように大事だって思えると、僕はいいと思う。(哲学者の)鶴見俊輔さんが、nonsenseは世界の肌触りだって言うんです。人間は世界の意味を一所懸命つけようとしてるけど、意味だけでは追求しきれないものが世界であって、それを肌触りって言ってるんだと思うんだけど。
谷川俊太郎(インタビュー記事より抜粋)

Mammoth, Inc. マンモス株式会社.「絵本作家インタビュー:谷川俊太郎さん」. Mammoth School. <https://www.mammothschool.com/2011/11/tanigawa-shuntaro-interview/>(参照日2020年9月21日)

わたしは、この「nonsense=世界の肌触り」を感じることのできるものが好きだ。文章でも、アート作品でも、「どんな作家さん/作品が好きなの?」と聞かれたときの答えをことばにしたら、きっとこうなるんだと思う。

無意味なことを大事にしたり、意味だけでは追求しきれないものを追求したり、そんな表現をする人の作品は、よくわからないけれど、よくわからないままに、その無意味さと熱心さに心をうたれる。

そのnonsenseさは、むしろその人の祈りのようで、その真摯さを尊いと思う。


*Artwork: 谷川 俊太郎 作・元永 定正 絵(1977)『もこもこもこ』 文研出版

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