ネガティブな感情を悪と考えるのをやめる

 仕事は往々にして、私たちにハッピーでなければいけない、前向きでなければいけないというプレッシャーをかけてきます。

ジャッジメンタル、タスクオリエンテッドであることを止める。話が脱線しました。

 元気よく快活であるべしというプレッシャーはあまりに大きく、全国労働関係委員会(NLRB)は雇用主に対し、従業員につねに明るく朗らかでいるよう強制してはならないと指示しています(この決定に、「ほらね」とむすっとした表情で満足を示した人が大勢いただろうと推測します)。

 とはいえ、ときにつまずきながらも、たとえ気乗りしなくても、必要なときはしっかり責任を果たすのが仕事というものです。だからつねに明るく元気でいられなくても、自分を責めるのはやめましょう。「苦しいときも笑って耐える」とはよく言われますが、これを進化させて「ときには耐えなくてはいけないかもしれないが、無理に笑う必要はない」と考えるのです。

 悲しみや落胆、怒りなどを封じこめようとすると、よけいにそうした気持ちが強まったりするものです。ある調査で「いま抱いているような気持ちは本当は抱くべきではない、と感じることがある」などの設問にどれだけそう思うかを答えてもらったところ、ネガティブな気持ちになるのはよくないと考える人のほうが、そのままの自分を受け入れている人よりも心身の健康度が低い(ウェルビーイング度が低い)ことがわかっています。

 この調査を行ったトロント大学准教授のブレット・フォードは「何かに対してネガティブな反応を自分の感情が示したとき、それをどう受け止めるかは非常に大事です。こうした感情に善悪のレッテルを貼ったり、ネガティブな感情を変えようとしたりせずそのまま受け入れる人は、ストレスにもよりうまく対応しています」と説明します。


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