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人生の伏線は、いたる所に張ってある。

今日は、超個人的な記録。



仕事復帰を本格的にしだして、noteを書く時間が短くなっている。

それでも毎日お話を書く時間を取り、短編が早く書けるようになるために、日々調べたり勉強している。
でも出勤の後、疲れで頭が働かなくなり、だんだん意識が朦朧としてきて全然文字が読めなくなってしまう。
ふわふわする…困った。


そんなある日、一人の人の自己紹介noteを読んで私は号泣してしまった。
その方のnoteはあまりにも今の自分とすごく似ていて、
境遇は私の方がまだ全然良いのだろうけど、何より「noteに避難して来た感じ」がすごく自分と重なって強く共感した。
その方はとても面白い短編をたくさん書いていて、その記事の中に「カーヴァー方式を採用して書いている」という主旨の文章があって。

カーヴァー方式ってなんだろう???
そう思って調べてみると、カーヴァーとは、(おそらく)レイモンドカーヴァーという80年代のアメリカの小説家のことで、「ミニマリズム」という文体で短編を書いていたらしい。

ミニマリズムとは…
完成度を追求するために、装飾的趣向を凝らすのではなく、むしろそれらを必要最小限まで省略する表現スタイル(Wikipediaより)

ほうほう。
note、本当に勉強になるなあ〜。
と思って、気付いたんだけど…
私、短い文章で表現されている文体の方が圧倒的に好きかも…。
直感の「好き」って感覚、すごく大事で。



とても気になって相方の水辺くんにその話をしたら、本読みの彼は次の日すぐに本を買って来た。

短編集。
面白そうだなと思って目次を見る。
いくつものタイトルの中に、見慣れた言葉があった。



「夜になると鮭は」




見た瞬間、おお、と声が出た。


私は数年前からceroという音楽家の曲がすごく好きでずっと聞いている。
ceroの曲には、詩を読んでいるものが何曲かあって、
「夜になると鮭は」という曲があった。
私が、ぶっちぎりで好きだった曲。

何かが起こりそうな、そわそわする詩。
穏やかなのに不穏な音。
ゆらゆらと揺れて色を想像させるメロディー。
以前から水辺くんにもオススメし、翻訳された歌詞も読んでいたのですごく驚いた。
毎日聞いている曲だった。
水辺くんは「すごいね。ここで繋がるんだ」と笑った。

夜になると鮭は
川を出て街にやってくる
フォスター冷凍とかA&Wとかスマイリー・レストランといった場所には
近寄らないように注意はするが
でもライト・アヴェニューの集合住宅のあたりまではやってくるので
ときどき夜明け前なんかには
彼らがドアノブを回したり
ケーブルTVの線にどすんとぶつかったりするのが聞こえる
僕らは眠らずに連中を待ち受け
裏の窓をあけっぱなしにして
水のはね音(スプラッシュ)が聞こえると呼んでみたりするのだが
やがてつまらない朝がやってくるのだ

「夜になると鮭は」レイモンドカーヴァー

小さい地道な一歩も、ちゃんと経験値なんだな。



毎日ちょっとずつ伏線を回収して
新しい伏線を張り巡らせ、
もっと密度の濃い人生を目指そう。

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