見出し画像

そらむぎ通信 No.151 (2019.08)

多彩な家族向け講座

当院では、いわゆる診察室の治療だけでなく、リハビリテーションに力を入れているクリニックであることは、これまでもお伝えしてきていますが、実は家族向け講座にもかなり力を入れています。

それは、患者と医者だけでの治療は、車に例えると自転車やバイクという感じです。一人で歩いているだけよりは進むかもしれませんが、4輪ある車の方が安定感があります。4輪とは、患者、医師に加え、家族、支援者です。支援者はクリニックのスタッフであったり、地域の支援者だったりいろいろあると思います。

家族も含めた4輪が安定感があるのですが、この4つのタイヤがバラバラに動いたら、車はどうなるでしょう?2輪の方がましかもしれませんね。4輪が同じ方法を見て、同じスピードで走って初めて安定感のある走りになります。家族向け講座はそんな意味でもとても重要だということは、お分かりいただけたでしょうか?そして、わかりやすい言葉で伝える、家族と当事者に同じ言葉を使う、ということを大切にしています。そうすることで、4者がわかり合えることにもつながっていきます。そして、一番大事なことは、家族自身が元気になることです。笑いが絶えないそんな家族講座をご紹介します。

べてる式家族当事者研究  
毎月第1日曜日 10時~12時まで
北海道のべてるの家で有名な「当事者研究」の家族向け版です。向谷地宣明さんを講師に迎え、グループワーク形式でそれぞれの問題を研究します。

わいわい講座  
毎月第2日曜日 10時~12時まで 終了後テララによるランチ懇談会があります。座学の講座です。その時々のタイムリーな話題、第4日曜日の基礎講座では扱えない幅広いジャンルの講座です。テーマはこの「そらむぎ」か、ポスターなどでご確認ください

家族SST 
毎月第3日曜日 10時~12時まで
家族としてどんなふうに声をかけたら良いか、家族の困りごとをSST形式でグループワークで検討します。テーマが出せなくても皆さんの意見を聞くだけでもとても役立ちます。

ふぁみりーテーブル基礎講座 
毎月第4日曜日 10時~12時
最低これだけは知っておいていただきたい、そんな選りすぐりの内容を講座形式でお届けします。医師、薬剤師、看護師、精神保健福祉士、心理師、そして、当事者とそれぞれの専門の立場からお話します。半年1クールで開院以来ずっと継続されている伝統の家族講座です。この半年の詳細の日程は、右のページをご覧ください。

引きこもりの家族支援
今年6月からスタートした新講座です。帝京大の池淵教授を中心に主に引きこもりのご家族に向け、困りごとを一緒に考えていくグループワークで
す。

クローバー家族SST(つっちーの家族SST)
毎月第1木曜日18時~20時
日曜日に参加できない方のために木曜日夜間開催しています。家族SST同様家族の困りごとをSST形式のグループワークで検討していきます。

ふぁみりーテーブル基礎講座 2019年後期の予定
  
7月28日(日)「病気について」医師 肥田裕久
8月25日(日)「自立のための資源・制度」
精神保健福祉士 宮崎りつ子

9月22日(日)「家族の関わりについて」
臨床心理士 石川淳子

10月27日(日)「家族として病気に向き合うために」
看護師 木村尚美

11月24日(日)「くすりについて」薬剤師
12月22日(日)「シンポジウム」当事者

*都合により変更になることもあります。
*参加について、詳しくはスタッフのお尋ねください


肥田先生のメディカルコラム Vol.103

~「おもてなしの本質」~ ~その15~

前回、支援を「アシスト」「ヘルプ」「サポート」に分けて説明しました。
支援にはこのような3形態があり、それぞれの主体と援助者の比率が変わり、支援の方法が変わってきます。

これを精神科の話に置き換えます。例えば、患者さんがリンゴを食べたいとします。リンゴが食べたいという具体的な目標に対して、それを切ってあげて食べさせるのがヘルプです。

アシストというのは、この人がリンゴを食べたいというときに、一緒に買いに行くということにあたるでしょうか。リンゴを買うのは患者さんです。
サポートというのは、いってみれば患者さんがリンゴを買うために外出することを応援し、待つということです。この人がリンゴを買いに行った結果、みかんを買ってきてもいいわけです。それはそれでありです。

同じリンゴを口にするという行為でも、「切ってあげる」「一緒に買いに行く」、「買いに行ってもらう」全然違うわけです。しばしば援助とか支援という言い方をする場合に、この3つがゴチャゴチャになっています。
 
さきほどのちびまる子ちゃんの例で考えてみると、アシストで十分な人に、ヘルプを強要しているとか、サポートの段階の人なのに、アシストを求めているということになります。ちびまる子ちゃんもおばあちゃんのためとはいいながら、一種の牧人権力でしょうか。支援の先回りをしているのです。


宙麦会&MARSスタッフのバトンリレーのページです。
今月は、RUECA福士美奈子さんです

2019年2月からRUECAでピアサポーターをしている福士美奈子と申します。ピアサポーターになり3年目になります。RUECAに配属になる前は、多機能型事業所MAREで勤務しておりました。

私は発病する前は看護師として総合病院で6年間勤務していました。私がRUECAにつながるまで、精神科入院3回・就労継続B型での訓練・引きこもりでACT利用と約4年の期間がかかりました。就労継続B型で就労訓練を行っていましたが、すぐに体調を崩して引きこもりの状態でした。

そんな状態でしたが私には夢がありました。「元気になったらまた働きたい」私を主治医やACTのスタッフは応援してくれました。そのためにはリハビリが必要!引きこもりから抜け出しRUECAに通いだしました。RUECAに週1日通うのがやっとでしたが、仲間ができてプログラムが楽しくなり週5日通えるようになりました。

私が夢を叶えるきっかけになったのが、「KIZUNAノート」でした。KIZUNAノートを使うことで目標に向かって日々頑張っていること、できて良かったことを振り返ることができ、自信にもつながり前向きな気持ちになれました。一番励みになったのが応援メッセージを仲間からもらえることでした。仲間の応援は私の元気の素になりました。就労移行支援事業所copeerでのRUECA実習を1年半行いピアサポーターになりました。

現在、RUECAでの私の仕事はフロンティアコースのピアサポーターとしてメンバーさんのサポートをさせていただいております。よりメンバーさんが前に進んでいけるよう共に日々奮闘しています。私自身もメンバーさんと共に成長していけたらと思います。

次のバトンは大森信乃生さんにお渡しします。


【休診のご案内】
ひだクリニック:土曜・祝日 休診 
8月12日(祝)13日(火)は、休診となります。
ひだクリニックセントラルパーク:土・日曜・祝日休診
8月10日~18日までは休診となります
*ひだクリニックセントラルパークは、8月より水曜日も診療を行います
                
急に具合が悪くなった場合は、主治医がいなくても応急対応をいたしますので、ご相談ください。休診の場合は、空いている方のクリニッで対応いたします。まずは、お電話にてご連絡ください。自立支援は登録医療機関のみご使用になれます。

【ご案内】
*日曜日の家族教室は、ひだクリニック3階るえかホールにて行っております。
8月18日(日)10時~12時 家族SST
8月25日(日)10時~12時 ふぁみりーテーブル基礎講座
「自立のための社会資源・制度」精神保健福祉士 宮崎りつ子
9月 1日(日)10時~12時 家族SST
*「べてる式家族当事者研究」はお休みになり、SSTになります。
*認知行動療法フォローアップ講座はお休みです。
9月 5日(木)18時~20時 クローバー土屋SST
9月 8日(日)10時~12時「わいわい講座」プレゼンター肥田裕久
*9月15日(日)は、家族向け講座はお休みです。

【編集後記】
長い梅雨が終わり、やっと夏らしくなりました。梅雨明けに安心したものの勝手なもので、あの涼しさが恋しくなります。せっかくだから夏を楽しみましょう!!(み)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?