見出し画像

Online Merges with Offline【OMO】オンラインとオフラインの境目がなくなる日

エンジニアだったりアプリ事業等作ったり
ずっとITの世界のどっぷり浸かっていた人生なんですが
レンタルスタジオを経営しています

なんでレンタルスタジオなのかは別の機会に書くとして
『リアル店舗の経営って面白いよ』というのが結論です。

マネジメント方法もIT起業で培った事が役に立っていたりしますが
特に面白いのは『オンラインとオフラインの垣根がどんどんなくなってきている』
というところ

今まではオンラインとオフラインが分けて考えてオンラインからどうやってオフラインに集客するかを考える
いわゆる「Online to Offline(O to O)」
的な考え方がマーケティングの主流でした。

しかし、これからは
『Online Merges with Offline』
という考え方が普通になってきます

『オンラインとオフラインの垣根はなくなる』
その上でオンラインとオフラインを分けて考えるのではなく、全てのビジネスをオンラインを起点に考えよう
という考え方です。

Online Merges with Offline(OMO)の事例

イメージしやすくするために簡単な事例を2つ説明してみます。

1.Luckin Coffee

ラッキンコーヒーという中国のコーヒーショップは1年間で2000店舗を展開し、1店舗目のオープンから1年半でNASDAQに上場という
偉業を成し遂げました。

ラッキンコーヒーの最大の特徴は『注文は全てアプリからしか受け付けない』
アプリで注文し近くの店舗でコーヒーを受け取る
もしくは場所を指定してデリバリーをしてもらう
という完全オンライン起点のコーヒーショップ

スタバよりも2~3割安く提供されていたり
毎週クーポンが送られてきたり、アプリ上で友達を紹介すると
無料でコーヒーが飲めるのも人気の理由です。

体験からマーケティングまで完全にオンラインで完結していて
オフラインの店舗はその体験の一部という立ち位置です。

2.Amazon Go

Amazonが2018年にオープンした
レジなし無人スーパーもOMOの分かりやすい例

Amazonのアプリでアカウントにログインし
QRコードをかざし入店したら
好きな商品をバッグに入れて外に出る

これだけで選んだ商品が自動で自分のアカウントに請求されるという
ハイテクなスーパーで、日本でも入り口でSuicaをかざす無人コンビニの実験なども行われています。

店員さんとのやり取り、お金の受け渡しが必要なくなり全てオンラインで完結する体験になっています。
リアルの店舗はその時欲しいモノを選ぶ場
として存在している、そんな世界がもう近くに来ています。

体験だけでは語れないOnline Merges with Offline(OMO)

Online Merges with Offlineはただ単に便利な体験を作るという考え方ではなく
オンラインの行動は全てデータ活用が可能という所が大切なポイントです。

Amazon Goの仕組みとしては入り口でQRコードをかざすと
顔認識が行われて、カメラやセンサーでスーパー内の行動が追いかけられます。

「○○代の女性が20時にスーパーで△△を買った」

というデータだけではなく

「○○代の女性が20時どのエリアで迷って、どういう行動を取った結果△△を買った」

というデータになります。

このデータを元に自動で在庫の注文をしたり
店舗の商品陳列を変えたり、品揃えをアップデートもできるのでリアル店舗の営業効率は飛躍的に向上します。

データを取られるのは怖い感じがしますが、このような感じで店舗側もどんどん良いサービスを提供できるようになります。

Online Merges with Offline(OMO)の世界に必要な4つの要素

1.モバイルネットワークの整備
これはある程度整備されてきています。
5Gやwifi6世代なんかの通信規格でより大量の情報を送ることができるようになります。

2.モバイル決済の浸透
決済を行う所で現金が出るとやはりスムーズさが失われてしまいます。
QRコード決済等のキャッシュレス化が進む事も日本のOMO浸透の鍵になります。

3.センシング技術の普及
高品質なセンサーが安価で手に入る事が大切になります。
Amazon Go顔認識や人を追跡するためにはやはりセンサーが必要になります。

多くのセンサーが偏在し、現実世界の動きをリアルタイムでデータ化する事がこの体験を支える大きな軸となります。

4.人工知能やロボットによる自動化
大量のデータを分析し、改善するサイクルを回すだけでなく、物流等も自動化する事でよりスムーズな体験、サービスの改善が可能になります。

【まとめ】

こんな感じで
オンラインを起点で設計をして
オフラインのタッチポイントでの良質な体験をデータ化し分析しアップデートを繰り返すようにする

オンラインではあらゆるユーザーのデータが活用されています。
オフラインでもこのデータを"正しく"取得し"正しく"活用する。

これが今からのリアル店舗の基本になるのかなと確信しています。

こんな感じでオンラインに浸かった人間だったからこそ、オフラインでこんな事を考えてサービスを作っていけるのは、とても楽しいんだなと飛び込んでみてわかりました。

これを見ているオンライン畑の人、是非オフラインに飛び込んでみてください、楽しいです。

また、事例もまだまだ沢山あって
今回例に上げたのはまさに序の口で
アリババの「盒馬鮮生(フーマー)」や中国保険大手の「中国平安」なんかも面白いです。

割と中国ではこの考えは当たり前で、
これを論じている時点で日本は大きく遅れを取っていると思うんけど、一応頭の中をまとめたくアウトプットしてみました

《事例》
盒馬鮮生
http://digitalbusiness.jp/2018/09/omosuper/
中国平安
https://webtan.impress.co.jp/e/2018/05/30/29079
ラッキンコーヒー
https://trillionsmiles.com/future/coffee-china-omo/
Amazon Go
https://www.businessinsider.jp/post-162108

出展:https://trillionsmiles.com/future/world-xd_07/

【興味があったらフォローをお願いします】 Twitter→https://twitter.com/sora_dancenow インス→https://www.instagram.com/sorahirose