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コミュニケーション

言葉は頼りない。言葉で人の芯に辿り着けはしないと思う。でも、その人を覆う空気や人生なんかに、言葉投げかけたら響いてくれるんじゃないかと思って、言葉でのコミュニケーションを怠りはしない。


昔、「人生で後悔したことは一度もない」という友人に、心底尊敬した。

そう言える自信にだ。え、わたし後悔ばかりなんですが?
友人は、戻りたいと思う過去はないのだといった。


だけどね。今思えばよ?
その時わたしが思い浮かべていた、山ほどの後悔というのはさ。

小学校のときテストで消しゴムを忘れ、絶対間違えないように汗かいたこと
バレンタインで使った飾り付けのお菓子が、不評だったこと
兄妹にたくさん嘘ついて、罪をなすりつけたこと

今、もっと大きく深い人生に直面している人ならば、こんなもの後悔のうちにカウントしないだろう。

その時の友人は、どの程度の後悔を指して言っていただろう。「きみはネガティヴなんだね」というような事を言われた気がしているが。

言葉に対する尺度がそもそも違えば、案外コミュニケーションとは、表面をひたすら平行移動していくものなのかな、なんて考えた。

2022.4

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